
フィリピンで就労ビザの申請・取得をお考えの方へ
フィリピンで就労ビザの取得・申請をお考えの方に、知っておくべきポイントとサポートしてくれる専門家をご紹介する特集ページです。
▼フィリピンで就労ビザを申請・取得するために知っておきたいポイント
・はじめに
・一般就労ビザ(Prearranged Employee Visa):通称9(g)ビザの取得方法
▼フィリピンでの就労ビザについて相談先を見つける
はじめに
英語が公用語であるフィリピンは、リゾート地でもあるセブ島が人気で、日本人の語学留学先としても近年需要が多くなっています。人口増加が著しいフィリピンでは、経済成長率も徐々に高くなっており、首都マニラへの日本企業の進出も増えています。
フィリピンへ入国する際、日本国籍であれば、観光やビジネス目的(商談や会議参加のための短期出張)での30日間の滞在については、無査証(ビザなし)でも認められます。ただし、30日を超えての滞在や、それ以外の目的の場合には、ビザの取得が必要となります。ビザの種類には大きく2つのカテゴリーがあり、セクション9の非移民ビザとセクション13の移民ビザがあります。移民ビザはフィリピン国籍を持つ人との結婚、移住、永住に関するビザになりますので、日本人が渡航してビジネスや就学をする場合には、非移民ビザになりますのでそちらの説明をいたします。
セクション9の非移民ビザの中で、外国人がフィリピンで働くために取得が必要なビザは、通称9(g)雇用ビザ(Prearranged Employee Visa)が一般的です。ですが、ビザは滞在が許可されるのみなので、就労するためには就労ビザ以外に、1)外国人雇用許可書、2)外国人登録書が必要となります。
外国人雇用許可書 (Alien Employment Permit: AEP)とはフィリピン労働雇用省(Department of Labor and Employment )、通称DOLEが発行するクレジットカードと同じサイズの許可書で、フィリピン国内で6か月以上所得を伴う仕事に就く場合に、就労ビザとは別途申請して取得する必要があります。なお、半年以内の範囲の就労の場合には、移民局(Bureau of Immigration)発行の特別就労許可(Special Work Permit:SWP、3ヶ月有効・1回限り延長可能)を取得します。
外国人登録書(Alien Certificate of Registration: ACR I-Card)とはフィリピンの入国管理局が発行する、やはりクレジットカードの大きさの証明書でフィリピンに滞在する外国人に対して義務付けられている身分証明書です。これを取得することにより、銀行口座の開設が可能になり、再度フィリピンに入国する時の身分証明書ともなります。あわせて、6か月以上滞在する外国人は、入国管理局が発行する出国許可証(Emigration Clearance Certificate)を原則的に取得する義務も発生します。
それらの申請手続きには時間もかかり煩雑ですので、代理人(旅行代理店や弁理士)もしくは弁護士を通じて申請されることをお勧めします。申請代行にかかる料金は安い代理店で3万ペソ程度、高い弁護士で5万ペソから10万ペソが相場です。
就労ビザに触れる前に、まずフィリピンに出発する前に当初滞在日数以上の残存期間がご自分のパスポートにあるか確認してください。残存期間が滞在予定日数以下ですと入国できません。以前はパスポートの有効期限が滞在日数プラス6か月以上と義務付けられていましたが2015年11月に緩和されました。それでも滞在日数が最小期限となりますので気を付けてください。
一般就労ビザ(Prearranged Employee Visa):通称9(g)ビザの取得方法
▼概要
名前の通り、一般的に利用されている就労ビザであり、日本人がフィリピン国内で就労するためにビザ取得する際は、こちらのビザを取得することがほとんどです。日本からの駐在員を赴任させる際も、ほとんどの場合はこちらになります。
就労ビザの申請、許可は在日フィリピン大使館では行っていないため、出発前に一旦フィリピン大使館で59日間有効の短期滞在用のビジネスビザ9(a)を無料で取得する必要があります。入国後、雇用主と一緒に移民局に就労ビザの申請を行い、ビジネスビザから就労ビザに切り替えます。万が一承認を待っている期間に当初フィリピンに到着した時の滞在許可期間が過ぎる場合には、延長申請手続きをすれば、そのまま国内に滞在できます。
フィリピンは就労ビザ条件に学歴やスキル・資格などの条件がないので、新卒や未経験での就職なども他国に比べると比較的取得しやすい国の1つといえますが、発給条件として、確実な雇用契約書と、その職種や職域がフィリピン人では従事が難しく日本人でなければいけない理由とフィリピンの国益に貢献するという内容の説明書が必要です。そのため、求人情報を頼りに入国しても、採用前の状態でビザ申請をすることはできません。
就労ビザ取得までに以前は最長6か月かかることもありましたが、2016年6月から新大統領が汚職、賄賂の撲滅、政府許認可のスピード化を強調したため、それ以降は2~3ヶ月で取得できるようになりました。承認される就労ビザの有効期間は雇用契約によりますが、通常は2年です。ビザの更新はできますが、更新後の有効期間は、3 年を超えない雇用期間相当の期間になり、ビザの条件件を満たしている限り、何回でも更新できます。
▼就労ビザ取得までの流れ
ステップ1: |
申請用紙(Consolidated General Application Form: CGAF)の準備 |
ステップ2: |
事前審査のための必要書類の提出 |
ステップ3: |
申請のための手数料の支払い |
ステップ4: |
領収書のコピーを申請窓口に提出 |
ステップ5: |
面接 |
ステップ6: |
入国管理局の外国人登録部に外国人登録に必要な書類を提出。同時にACR I-Card用の写真撮影及び指紋採取(申請は雇用契約書の署名日から15営業日以内)。申請から取得まで1週間から3週間です。移民局のWEBサイトでビザが発行されたことを確認できます。 |
ステップ7: |
承認されたビザの内容記入と押印のためパスポートを提出※数日でパスポートは返却されます |
ステップ8: |
ACR I-Cardを受け取る |
▼必要書類
- 雇用主である会社と本人共同の申請要請レター
- 一般就労ビザ申請書(CGAF)
- 雇用主の納税証明書、会社定款、登記簿
- 年次財務報告書および会社定款のコピー
- 公証人の証明付申請書および雇用契約書の原本
- パスポートのコピー及び本人履歴書
- 外国人雇用許可書(AEP)のコピー
- その他その都度要求される追加書類
▼申請手数料
企業規模 |
ビザの有効期限 |
申請者の申請手数料 |
配偶者及び16歳以上21歳未満の扶養家族の申請手数料 |
上位1000社以上 |
1年 |
10,630ペソ |
8,120ペソ |
2年 |
18,170ペソ |
13,960ペソ |
|
3年 |
25,710ペソ |
19,800ペソ |
|
上位1000社以下 |
1年 |
10,130ペソ |
8,120ペソ |
2年 |
17,170ペソ |
13,960ペソ |
|
3年 |
24,210ペソ |
19,800ペソ |
※外国人登録書(ACR I-Card)の申請手数料は、1年=50US$、2年=100US$、3年=150US$
経済特区(PEZA)ビザ:(47(A) (2)ビザ)
▼概要
PEZAとは投資推進、雇用創出、輸出奨励を目的として1995年からフィリピン各地に創立された経済特区で、そこに操業する企業にはいろんな優遇措置の恩恵が与えられます。PEZAビザはそこに登録されている企業の外国人従業員に交付されるビザです。このビザの保有者には数次入国ビザが付与され、出国料や登録料が免除されます。PEZA 登録企業の、外国人の雇用割合が5%を超えてはならないため、このビザを取得するには、日本人1 名の雇用に対し、フィリピン人の従業員20 名以上の雇用が必要となります。
一般就労ビザとの大きな違いは申請時に入国管理局で面接を受ける必要がないことです。このビザの申請はフィリピン国内で行われるため当初30日間の無査証か9(a)ビザで入国してから申請手続きを開始します。
▼ビザ取得までの流れ
- 申請書、チェックリスト等必要書類を用意、提出
- 発行手続き手数料の支払い
- 認証付き領収書のコピー4部用意
- PEZA責任者から法務省長官あての保証紹介状を取得
- 取得した保証紹介状と申請書類一式をPEZAの外国人登録課(Foreign Nationals Unit: FNU)に提出
- 法務省で審査(通常3週間)
- 認証後、審査費用の支払い
- ビザ押印のためパスポート原本の提出、受領
▼必要書類
- 在職証明書
- PEZA申請書
- フィリピン証券委員会の認証済み定款
- 雇用契約書
- 顔写真
- その他、その都度要求される書類
貿易担当者及び投資家用ビザ:通称9 (d)ビザ
▼概要
このビザは二国間条約に基づくものであり、フィリピンと自国(日本)の間の貿易を行うことを目的としたフィリピン企業に勤める外国人、又は、フィリピン国内で自らが投資を目的として入国する者に交付されます。活動の範囲は、その取得条件において示されたフィリピン企業での就労や事業に限定されます。また、取引額や投資額が相当額以上ある必要があります。このビザの有効期限は、1 年又は2 年で、有効期間以降は更新が可能で、一時帰国含めた数次入国特権が付されています。
9(d)ビザの申請書類及び申請手続は、基本的には9(g)ビザの申請書類及び申請手続と同様で、申請はフィリピン国内で行われており、無査証又は9(a)ビザでフィリピンに入国してから申請手続を行います。
▼就労ビザ取得までの流れ
ステップ1: |
申請用紙(Consolidated General Application Form: CGAF)の準備 |
ステップ2: |
CGAFと、その他必要書類を一緒に入国管理局へ提出 |
ステップ3: |
申請手数料の支払い |
ステップ4: |
領収書のコピーを申請窓口に提出 |
ステップ5: |
面接 |
ステップ6: |
外国人登録書(ACR I-Card)申請と同時に写真、指紋登録 |
ステップ7: |
承認されたビザの内容記入と押印のためパスポートを提出 |
ステップ8: |
ACR I-Cardを受け取る |
▼必要書類
- 入国管理局に宛てた、申請者と雇用主、もしくはどちらかのビザ承認要請のためのレター
- 記入済みのCGAF(参考書式3)
- パスポートのコピー
- AEP のコピー
- 申請者の顔写真
- 雇用主の会社登記証、会社定款、年次報告書及び納税証明書
- 雇用契約書のコピー
- 申請者の履歴書(学歴、職歴及び学位は必須)
- 入国管理局の発行する無犯罪履歴証明書(Clearance Certificate)
▼申請手数料
ビザの有効期限 |
申請者の申請手数料 |
配偶者及び16歳以上21歳未満の扶養家族の申請手数料 |
1年 |
9,620ペソ |
8,120ペソ |
2年 |
13,650ペソ |
11,950ペソ |
※外国人登録書(ACR I-Card)の申請手数料は、1年=50US$、2年=100US$
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