三代目俵屋玄兵衛 シンガポール代表 佐藤 祐一 様 インタビュー | シンガポール進出企業インタビューならヤッパン号


日本人がシンガポール進出で成功するには

Wakka Singapore pte ltd(新加坡精米所三代目俵屋玄兵衛) シンガポール代表 佐藤 祐一

日本人がシンガポール進出で成功するには

「厳選した日本産米を精米したてで届けたい」。そんな想いを持ってシンガポールで事業を展開する佐藤氏。米・食味鑑定士でもある佐藤氏が厳選したお米をシンガポールで精米し、直接お客さんにお届けする。いま日本食が大人気のアジアにおいて、佐藤氏のようなプロの裏方は必要不可欠な存在だ。今回は佐藤氏にシンガポールでのビジネス状況や今後の展開について聞いてみた。(取材内容は2013年9月時点のもの)

―シンガポール進出におけるメリット・デメリットを教えてください

 メリットとしては小さな国なのでどこへ行くにもすぐに行けるということ。弊社のようなビジネスだと物流が大事なので、すぐに配達できるのが有難いです。また今のところ弊社のビジネスにおいてこの国で競合がいないというのもありますね。

 デメリットとしては、意外に思われるかもしれませんが、配達においてローカルの配達員の場合だと、商品が少し雑に扱われることですね。また支払いが悪いお客さんがいるのも困っています。シンガポールといえども南国の国なので、少しアバウトな面があるのかもしれません。

【アジア各国の厳しい外資規制と輸入規制】
―意外ですね。物流や支払いの問題はアジア新興国ならではの問題かと思いましたが、シンガポールでもあるんですね。ちなみにアジア新興国への進出は検討していないんですか?

 アジア新興国への進出については検討していますが、慎重に進めないといけないと考えています。弊社のビジネスはお米を日本から輸入して現地で販売するモデルなので、各国ともに外資規制と輸入規制が非常に厳しいんです。香港やシンガポールは農業が産業としてないので、特に輸入規制などはありませんが、インドネシアやタイ、マレーシアなどは農業生産国です。自国の農業を守るために各国政府は非常に厳しい規制を敷いています。

 マレーシアなどはお米の輸入を国営企業1社がおさえており、関税も非常に高い。インドネシアやタイも輸入の割り当てがそもそもあり、事前に申告して許可を得なければいけない。その量もある程度のまとまった規模がないと受け入れてもらえません。また関税も50%ほどかかります。そもそも日本産米は高いのに、そこに関税を乗せてまで現地で販売できる自信はありません。

 また輸入規制だけでなく、法人設立するときに外資規制もあります。独資での法人設立が認められない場合がほとんどです。現地パートナーと組んで、彼らに資本を入れてもらわないといけません。このようにアジア新興国での展開は弊社のビジネスモデルだと様々な壁があるのが現実です。

―なるほど。インドネシアやタイなどでは物流の問題もありますよね。

 まだまだ物流網は未整備です。そもそも交通インフラ自体が未熟で、インドネシアやタイでは渋滞がひどいですね。

 しかし、アジア新興国での展開をあきらめているわけではありません。引き続き、市場調査をしてチャンスがあれば果敢にチャレンジしていくつもりですよ。

―ちなみにシンガポールでの事業は順調ですか?

 おかげさまで順調に推移しています。シンガポール法人も、去年9月には単月黒字化を果たしました。進出して1年くらいで黒字化した形です。やはり精米したてのお米は一度食べ比べて頂くとよく分かるのですが、味が全然違います。その違いを多くの人が理解して受け入れてくれたということで、私としても非常にうれしく、このビジネスに大きなやりがいを感じています。

 いまではシンガポールの多数の有名日本料理店さんが、うちのお米を使ってくれています。また個人の会員さんも1300人まで増えましたね。

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