シンガポールにおけるブルーカラー層の特徴(1/2) | シンガポール ブルーカラー層 採用 管理進出企業インタビューならヤッパン号


シンガポールにおけるブルーカラー層の特徴(1/2)

SMS24/7 Pte Ltd Managing Director MASAHIKO TSUKUNO

シンガポールにおけるブルーカラー層の特徴(1/2)

シンガポールで、ブルーカラー層の採用支援に特化したサービスを展開するSMS24/7。その代表を務めるのは、つくの勝彦氏だ。シンガポールで、ブルーカラー層に特化した理由と、どんなサービスなのか、クラウド勤怠管理「KING OF TIME」の生みの親、奥畑氏が話を聞いた。(1/2)

シンガポールでブルーカラー層の採用を自動化する

―まずは御社の事業内容について教えていただけますでしょうか?

SMS24/7は、2011年にシンガポール設立されました。求人に対する電話応募に自動応答するシステムを、提供しています。24時間対応で、求職者が新聞などの求人広告に掲載されている電話番号に電話してきた際、SMS(ショートメッセージサービス)を利用して、応募者の国籍、勤務形態、年齢、職種に応じた免許の有無、などをヒアリングし、面接日程まで自動調整できます。求人連絡対応のコールセンターの自動化版と考えて頂いても構いません。 ※SMSとは、携帯キャリアが提供する電話番号によるショートメッセージサービスのこと 弊社サービスはブルーカラー層に特化したサービスで、日系企業で言えば、飲食店や小売店などのクライアントが多いです。ローカル企業で言えば、大手食品スーパーチェーン、鉄道会社、など、こちらではナショナルクライアントと呼べるような企業のクライアントも増えてきています。店舗スタッフから、ドライバー、作業員など、あらゆるブルーカラー層の応募にご利用頂いています。 システムだけをご利用頂くクライアントもいますが、ほとんどの場合は、求人広告の出稿も含めて支援しています。ブルーカラー層はホワイトカラー層と比べて、インターネットのリテラシーが低い傾向にあり、広告出稿先もネット上だけでなく、紙面やポスターなども活用する必要があります。応募方法も、普段パソコンをあまり使わないので、メールではなく電話で応募することが多いのです。実際、私たちが対象としている求人の7割は電話応募、3割がメール応募です。  

―どのような経緯でSMS24/7はスタートしたのでしょうか?

私自身は、リクルート出身で、リクルートでは求人情報誌の部署に所属していた時期もあり、紙の求人広告を取り扱っていました。リクルートの後は、PC向けゲームを提供するベンチャー企業の立ち上げに参加しました。「The Tower」などのヒット作を生み出した会社です。ゲーム会社に10年くらい在籍した後、カナダのエンジニアと一緒に、AIを活用した会話型自動応対システムを作る会社を日本で立ち上げました。今で言うメッセンジャーアプリのチャットボットのようなものです。 当初、SMS を利用したシステムを思いついたのですが、当時は日本では携帯会社によって通信ルールが異なり、SMSを他社の番号宛に送れないなど様々な障壁があり、日本では展開をしませんでした。その頃ちょうど、知り合いが中国で携帯電話のサービスを展開しようとしていたことから、中国に目を向け、試しにSMSを利用した広告配信を実施してみたところ、非常に良い反応が得られたのです。 早速好感触がつかめたので、上海に会社を立ち上げるべく出資を募ったのですが、運悪く、そのタイミングで尖閣諸島の事件が起こります。中国国内で日本の情報を携帯電話に送るサービスを展開しようとするにはリスクが高すぎる時期だったため、最終的には中国展開は断念しました。 そんな折、シンガポールに会社を経営する大学の友人から連絡が入り、シンガポールという国の話を聞きました。いろいろ情報収集する中で、中華圏だったことも含めて面白そう打と感じ、シンガポールで起業する決意。本当に紆余曲折のなかで、シンガポールにたどり着きました。

―最初から求人応募に対する自動応対のシステムを提供しようとしていたわけではないのですか?

最初にやろうとした事業は、中国で展開しようとしていた事業に近いもので、日本の情報をデジタルマガジンにしてSMS配信する事業を考えていました。当時はまだ、SingTel(元国営通信業者)から顧客データベースを購入することもできたので、そのリストを利用してシンガポールに進出する日系飲食店の宣伝などを行おうとしました。実際、最初の仕事は、日本の某有名居酒屋チェーン大手のシンガポール一号店の集客宣伝でした。 広告の仕事を頂けたのはよかったのですが、オープニングスタッフの採用が進まず、開店の目途は立ちませんでした。そこで、集客の広告よりも先に、求人広告の支援をすることになりました。いろいろ調べていると、当時のシンガポールには求人誌のようなものはなく、ブルーカラー層の求職者は、新聞や店舗のポスターなど、印刷物から応募する人が多いことがわかりました。かつ、新聞などに掲載されている求人広告は詳しい条件の記載がほとんどなく、「募集中」であることしかわからない求人広告がほとんどでした。そこで、条件面をわかりやすくまとめたフォーマットを作り、求人広告を出したところ、驚くほどの電話応募を獲得することができました。 その時、実は、電話対応も最初は人が受けていました。会話内容をメモして、メールにまとめて面接担当者に連絡し、面談を希望するか確認した後に、面接日程の調整まで対応していました。量が多いうえに、平日週末昼夜問わず電話がかってくるので、正直かなりの負担になりました。 数多く電話がくるのですが、実は話しのやりとり自体はどれもほぼ同じことに気がつきました。この体験から、過去に開発した自動対応でのシステム化が可能と思い、SMSを利用した自動応対のシステムを開発することにしました。SMSを利用したシステムはすでに過去に作った経験があったので、昔の経験が活きましたね。

―自動化によるメリットは何でしょうか?

まずは、工数の削減です。私自身も電話対応で苦労しましたが、多くの電話がかかってくると、その分多くの時間を取られてしまいます。また求人案件ごとに候補者の条件も異なるため、職種、国籍、年齢、性別など、一つ一つヒアリングした上で、面談を設定するか判断する必要がありますが、これも自動で絞り込んだ上で、採用面談まで自動で設定できるため、希望の条件を満たした候補者との面談、以外は時間を割く必要がありません。 また、自動応対によって、応募者の取りこぼしも少なくなります。シンガポールは失業率が低い国なので、求職者の割合としては、仕事を持っていない人よりも、転職しようと考えている人が圧倒的に多くなります。仕事を持つ人たちは、働いている昼間はなかなか電話できないので、朝早くか夜遅く、もしくは土日などに電話します。しかし、求人を出している企業側の採用担当者は24時間365日稼働しているわけではないので、従来は、企業側が対応しきれていない応募者も多くいました。その応対をシステム化して、365日24時間自動応答することで、応募の母数も増えます。 短期間で大量採用したい場合も効果的です。ユニクロがシンガポールでオープニングスタッフとしてシンガポール人を300人採用する際も利用して頂きました。ざっくり計算しても、300人採用するには2000人ぐらいの採用面談を設定する必要があり、2000人の候補者を集めるには1万件の電話を受ける必要がありました。 (次ページへ続く)

次ページ > シンガポールのブルーカラー層の特徴 (2/2)

記事の監修

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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