シンガポールにおけるブルーカラー層の特徴(2/2) | シンガポール ブルーカラー層 採用 管理進出企業インタビューならヤッパン号


シンガポールにおけるブルーカラー層の特徴(2/2)

SMS24/7 Pte Ltd Managing Director MASAHIKO TSUKUNO

シンガポールにおけるブルーカラー層の特徴(2/2)

シンガポールで、ブルーカラー層の採用支援に特化したサービスを展開するSMS24/7。その代表を務めるのは、つくの勝彦氏だ。シンガポールにおけるブルーカラー層の採用は、ホワイトカラー層の採用とは大きく状況が異なると言う。その理由を、クラウド勤怠管理「KING OF TIME」の生みの親、奥畑氏が話を聞いた。(2/2)

シンガポールのブルーカラー層はメールを使わない?

―シンガポールにおけるブルーカラーの人材市場マーケットについて教えてください。

MOM(シンガポールの人材省)が出している資料では、シンガポール人のブルーカラー層は100万名くらいです。行政が就労ビザの発行条件などを通して、シンガポール人を雇用しないと外国人を雇用しづらいようコントロールしているため、シンガポール人のブルーカラーは圧倒的売り手市場です。 且つ、シンガポールは、ご存知の通り、転職を繰り返すことでキャリアアップしながら所得を増やしていく文化なので、ブルーカラー層もの定着率は本当に低く、日系の飲食店なども、シンガポール人の採用に苦労している企業が多いです。 ブルーカラーから見た就職先という目線で言えば、日系企業は労働条件を守ってくれる、シフト管理をしっかりしてくれる、給与水準が高いなど、ポジティブな印象がある一方、昇給・昇進しにくいというネガティブな印象もあるようです。ローカルの小さい会社から転職してくると条件面から好印象を頂き、ある程度好待遇だったローカル大手から転職してくると少し不満に感じやすい部分もある、といったところでしょうか。

―なぜ、SMSでの自動化だったのでしょうか?これもブルーカラー層の特徴と関係があるのでしょうか?

シンガポールにおいて、弊社が対象とするブルーカラー層は、メールを使わず、電話を利用します。弊社の中でもメール3割、電話7割というデータがあるほどです。 ホワイトカラー層であれば、日常的にパソコンやインターネットを使いこなし、メールでのやり取りに慣れています。しかし、ブルーカラー層の多くは、紙媒体やポスターで求人情報を見て、メールではなく電話やSMSで応募します。 シンガポールでは、固定電話はかなり減ってきており、電話による応募の場合、多くが携帯電話での連絡になるため、SMSによる自動応対が効率的でした。さらに、シンガポールでは、携帯キャリアや官公庁などのお問合せ窓口もSMSによる自動応対機能を利用していることもあり、ある程度使い慣れていることも一つの利点となりました。

―ブルーカラー層がメールを使わず電話やSMSを利用するのはなぜですか?

これは後から考えて見えてきたことですが、ブルーカラー層の所得と通信料に関係があると考えています。だいたい、シンガポールにおける携帯電話料金は、収入の2%くらいが目安と言われているので、ブルーカラー層なら30~50$に抑えようとします。 しかし、シンガポールでその金額に抑えようとすると、データ通信は2Gくらいしか利用できません。パケ放題のようなプランも存在しないため、スマホを持っていても、あまりデータ通信を使わない人が多いのです。

―そのほかで、ブルーカラー層の特徴だと感じる部分はありますか?

情報リテラシーが低いという観点で言うと、多くの情報の中から、自分に必要な情報を絞り込むことが苦手な人が多い傾向があります。例えば、求人への応募の場合も、電話だと「人を募集していますか?」しか聞いてこず、条件などについては一切自分からは聞いてきません。 そういう人たちには、一つ一つ、何を考えればいいのか、何を答えればいいのか、順に提示していく必要があります。旅行代理店のカウンターに行く人たちと同じですね。最初に漠然としていた旅行先の候補が、聞かれて答えることで絞れていく。求人への応募の際も同様に、国籍、性別、年齢、職歴、雇用形態、など、一つ一つ順に聞いていく必要があります。 会話をコンピューターで管理する仕組み、会話の流れを管理する仕組みは、少しコツがいります。前職の経験から、ある程度作り方を知っていたので、難しくはありませんでした。発想の原点はゲームです。以前にPCゲームを作っていた時は、プログラムのインターフェースがゲームになっただけで、利用者は攻略本がなくても、自分たちで考えて行動するようになります。ゲームのインターフェースの絵を字に変えれば使えるようになると感じました。

―一つ一つ質問項目に対して回答する流れであれば、ブルーカラー層の求職者に関するビックデータも溜まっているのではないでしょうか?何か特徴はありますか?

会話内容がサーバーに集まるので求職者に関するビックデータも集まりますね。現在の給与額、住所、などの情報が集められ、そこからいろんな切り口の統計が取れます。フルタイム希望の比率、希望業種の比率、年齢層、地域別特性、そして給与相場。面白い傾向だと感じたのは、シンガポールのブルーカラー層はあまり会社名で仕事を選ばないこと。データを見る限り、「勤務地」「職種」「給与額」を重要視しているようです。 これだけブルーカラー層のデータが集まっていると、いろんな相場観がわかってきます。勤務地や職種、採用の緊急度などに合わせて、給与額をいくらに設定するのか、新聞、ポスター、ネット、それぞれどんな広告を出稿するべきか、効果的な戦略も変わってくることがわかりました。 シンガポールにおいて、ホワイトカラーの求職者に関する給与相場は、Job Streetなどのネット上の求人媒体を見ればわかりますが、ブルーカラーはインターネットで検索・応募する人は少ないので、ブルーカラー層のビックデータがあることは一つの強みですね。

―最後に、今後の展開についてお聞かせください。

東南アジアにおいて、特にブルーカラー層の多くが属するボトムオブピラミッドの層は、情報リテラシーの低さから、ネットの情報を十分活用できず、仕事を自分で選ぶための情報すら得られていない現状があります。そういう人に情報が届けられるプラットフォームを作りたいと考えています。実現することで、経済を支えるボトムオブピラミッドの人たちに、収入を増やしてほしいですね。シンガポール発でスタートさせ、タイ、マレーシア、フィリピンなど、東南アジア各地にも広げ、みんなが利用でき、生活を変えていくものしていきたいです。

記事の監修

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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