ヤクルトマレーシアの人材マネジメント(1/3) | マレーシア 人材マネジメント進出企業インタビューならヤッパン号


ヤクルトマレーシアの人材マネジメント(1/3)

ヤクルト マレーシア 代表取締役社長 濱田 浩志

ヤクルトマレーシアの人材マネジメント(1/3)

多民族国家マレーシア。マレー系、中華系、インド系を中心に、多くの文化や宗教を背景に持つ人々が混在している。そんなマレーシアでは、人材マネジメントがうまくいかない日系企業も多いという。そんな中で、順調に市場を拡大しているのがヤクルトマレーシアだ。代表取締役社長の濱田氏は、すでにマレーシアに赴任して10年が経つが、マネジメントについては試行錯誤の連続だったと言う。マレーシアでもクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を展開するHUUBAPの奥畑氏が、現地の事情をお聞きした。(1/3)

マレーシアでは民族の壁に気をつけろ

―まずは、御社の概要と、濱田様のご経歴について、教えてください。

マレーシアヤクルトは2004年の4月に創業し、今年で14年目になります。ヤクルトの海外法人としては、比較的まだ日が浅いほうです。 私個人としては2008年に、営業の取締役としてマレーシアに赴任してきました。もう10年になります。10年というと驚かれることも多いのですが、ヤクルト全体では海外駐在の平均期間は8年くらいで、一般的な長さです。 弊社は、大衆向けの食品を扱っている会社ですから、その国の食文化や食生活に根付かなければ現地では受け入れてもらえないと考えていますので、ほかの日系企業のように、3年や5年の期間では足りないのです。海外法人の社長を務めているメンバーに限って言えば、15年、20年と現地に滞在し続けている方も多いので、私の10年は特別長いというわけでもありません。 最終的にはそれぞれの国で、ヤクルトが日本のものではなく、自国のものと認識してもらうことを目指しています。50年近く前からある台湾やブラジルなどは、すでにヤクルトが自国のものだと思っている人たちも多いと思います。

―マレーシアでは、どのくらいの従業員がいらっしゃるのですか?どんな方たちなのでしょうか?

従業員としては340名ほどで、更に460名をヤクルトレディとして契約しています。日本人出向社員は6名で、大半がマレーシア人です。ただ、マレーシア人と言っても、マレー系、中華系、インド系、と大きく特徴が異なるのが、マレーシアの特徴ではないでしょうか。 例えば、中華系は向上心が高く、まじめに仕事に取り組む方が多い代わりに、人件費が平均的に高いです。マレー系は、中華系に比べて人件費が高くないものの、きつい、汚い、危険といった3Kの仕事を避ける傾向があります。 弊社ではあまりインド系の従業員を雇用できていないのでわかりませんが、インド系は、人件費が高くない一方で、イギリス文化の影響から、労働組合を作って労働者の権利を主張することが多いそうです。

―同じマレーシア人でも、民族によって人材にも傾向があるのですね。どういった理由で、そこまで民族別に分かれてしまうのでしょうか?

マレーシアは、マレー系の民族が優遇されていて、特に中華系と比べると、大きな差があります。例えば、マレー系には対しては、住宅ローンの利子や定期預金の金利が優遇されています。また、国立の大学も民族によって枠が異なっていたり、国営系企業ではマレー系でないと出世できなかったりと、同じ国民でも民族の違いによって、環境が大きく異なります。 中華系の従業員の話を聞くと、子供のころは大きく意識することはないそうですが、大人になると、マレー系と中華系の待遇が違いすぎて、どうしても民族の違いによる差異に不満を感じるようになると言っていました。 だから、マレーシアは、驚くほど国民の一体感がありません。たぶん、ほかの国からくると驚くと思います。私もマレーシアの前は、7か月ほどインドネシアにいましたが、宗教や住んでいる地域が異なっても、インドネシア全体での一体感はありました。しかし、マレーシアは、民族別に、明確に待遇を分けているため、民族間の壁というのは本当に強いですね。

―そんな民族間の壁がある中で、日系企業はどんな立ち位置なのでしょうか?

中華系にとっては、民族に関わらずフェアに扱ってくれることから、求職者からすると好印象があるようです。中華系は、マレー系企業では冷遇されてしまいますからね。 マレー系にとっても、人によっては、人材をフェアに扱う点がメリットになります。マレー系は縁故主義なので、マレー系でも良い縁故をもっていなければ、あまり良いポジションは期待できません。縁故がなくても優秀なマレー系にとっては、そういったマレーシアのしがらみと関係がない日系企業は魅力的なのだそうです。 そんな中立的な立ち位置なのですから、日本人は潤滑油として、民族間に入るべきです。実際、弊社では6人日本人がいますが、工場に2名、管理部に1名、営業現場に2名、そして私と、それぞれが、現場で民族間の潤滑油になるよう心がけています。 (次ページへ続く)

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記事の監修

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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