アジアで活躍する日本人起業家(フィンテック編)@Yappan-Go ASIA Summit 2020 session#2 | カンボジア進出企業インタビューならヤッパン号


アジアで活躍する日本人起業家(フィンテック編)

JC Finance Plc. 取締役CEO 菊池 育朗
  

アジアで活躍する日本人起業家(フィンテック編)

2020年9月、東南アジアでのビジネスを展開している日本企業・日本人起業家にスポットを当てたイベントYappan-Go Asia Summit 2020がオンラインで開催された。カンボジアで”農協型”金融プラットフォームを運営するJC Finance。
カンボジア国立銀行から正式認可を受け、地方農家を支援し、農業セクターの発展に貢献する菊池代表にお話しを聞いた。(モデレーター Ishin Group 松浦道生)

ーまずは自己紹介をお願いします。

菊池:日本の大学を出てからオリックスに入社し、投融資に関わりました。ファイナンサ―でありインベスター、デベロッパーであるというオリックスでのDNAが現在も流れています。その後、ABCクッキングスタジオグループに入社し、エービーシーキャピタルのCEOを勤めました。ここで女性専用料理教室の会員30万人が利用するメンバーズカードシステムを構築しました。リアルなサービスと金融の融合を経験しました。

東日本大震災の年に飛び出して起業をしたのですが失敗をして、そのときにご縁があったサムシングホールディングスという会社に入社し、メガソーラー発電所の建設ビジネスを立上げ運営していたのですが、九電ショックにより市場が崩壊してしまいました。その後ベトナムの事業の責任者として赴任しました。2018年に当行JC Financeがカンボジアのスタートアップとして事業を始めたところで、CEOに就任し、今に至ります。

  

カンボジアは地雷、貧困、アンコールワットというイメージもあると思うのですが、通貨の80%以上が米ドルで回っている経済で、英語がかなり普及しており、生水が飲めるほどJICAと北九州市の水道事業が成功しているなど、かなり発展してきています。ただ、産業構造が工業化、商業化されてきているとはいえ、依然として農業分野が大きくGDPの25%を占めています

   

我々はマイクロファイナンス機関として中銀の認可を受けて、「カンボジア農民の生活を豊かにし成果を分かち合う」という理念を目標に活動していますビジネスモデルは古き良き日本の農協ビジネスで、全農という商社的な機能と、JAバンクの金融的な機能が両輪になっているようなプラットフォームを作りたいと思っています。

農家に融資をして、様々な営農シーンにお金を使ってもらい、また農機のディーラーさんとも組んで購入ローンスキームを作っています。将来的には農業の6次化ビジネスにも金融として参入していきたいと思っています。

農機は高価ではありますが、農家は耕耘請負ビジネスもするので、インカムが劇的に増えます。ローンは2~3年に設定していますが繰り上げ返済をする農家もいます。キャッシュレスで遠隔地農家が送金等をしやすくしているのと、農機に装着したGPSでいざと言うときにエンジン停止ができるようにし、盗難防止とともに稼働効率の管理をできるようにしています。これによりローンの担保物としても管理を可能にしています。

加えてカンボジアはアグリテックを試行しやすい環境ですので、ドローンなどを使い稲の生育状況をモニタリングすることで、結果、債権の返済原資である農産物の管理もしています。

  

ー成功する上で何がキーファクターになると思いますか?

菊池:我々の場合は、最初は販売店経由で間接営業から始めました。農家とダイレクトに関係を作っていくこともやっていかなければならないとは思っています。ただカンボジアには確定申告のようなものもがないので、信用を確認しづらく、そこを解消するひとつの手立てとして、コミュニティの村長さんに照会することなどもしてきました。今は、農家が申告してくる収入をシミュレーションに落とし込み、全体の資金予測をしながら進めています。

コロナもあり少し踊り場になっていますが、更にDX化もしていきたいですし、人工衛星を使って地域の状況をマクロに把握する、また農機のAirbnbのような形で耕作できる人と、してもらいたい人をマッチングする様なこともやっていきたいと思っています。

  

ーアントレプレナーの方が海外でビジネスをゼロから興したあとに日本企業の連携が広がっていくパターンがありますが、御社では既に日本企業との連携は進めていますか?

菊池:預金受け入れのライセンスが取れていないので、日本側で調達させてもらっています。市場は顕在化しているので調達原資が得られればもっと融資ができます。社会的インパクト投資の観点でも注目していただけたらと思っています。農業施設、農資材、アグリテックなど様々な分野でカンボジア進出を考えていらっしゃる方にも、ぜひアプローチしていきたいです。

  

ー最後に日本企業にメッセージをいただけますか。

菊池:金融包摂が必要な地域がまだまだあり、当社は気付くのが少しだけ早く、行動を起こすことができました。自由な発想で同じ志を持つ仲間やパートナーを見つけられれば、事業が軌道に乗る打率は上がると思うので、積極的に打席に立つことが重要なのではないかなと思います。そうやっていると目が慣れてきて、海外あるある、という変化球にも対応ができるようになると思います。何かこんなことできるのではというお話があれば気兼ねなくお声がけください。

  

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