シンガポールでの不動産投資の第一歩を踏み出す
―アジアでの事業内容や実績を教えてください。
阪急阪神ホールディングスグループは、2015年から海外不動産への投資として、シンガポールにおいて100%独資で賃貸倉庫の開発を行いました。当社は、その開発に取り組むことを契機に設立された海外子会社になります。その倉庫は昨年に竣工し、現在は当該物件の管理運営に取り組んでいます。
―どのような理由から、現在の立地を選んだのですか。
シンガポールは、アセアンの成長にともなって物流拠点としての重要性が、ますます高まっています。そのニーズも従来からのものにとどまらず、ヘルスケア関連、医療機器、医薬品、食品、eコマース関連などへと拡がっていくと考えられます。
シンガポールの中でも、Hankyu Hanshin Logistics Centreの立地は、ジュロン島のすぐ近傍になります。高速道路出入口に近く、市内中心部や既存の港湾地区からのアクセスに優れていることに加え、シンガポール政府が2020年代初頭から順次供用開始する予定のトゥアス(Tuas)新港にも近いことから、将来にわたって物流適地としての競争力が高いと考えました。
―シンガポールの不動産市況や、日本との違いなどを教えてください。
シンガポールはアセアンのハブと言われていますが、実際にアセアンやアジア経済とはあらゆる面で関係が深く、世界中から投資家が集まっています。不動産マーケットにおいても、日本とは違う慣習のもと、そうした様々なプレイヤーがスピード感をもってビジネスしています。我々も、日本の経験を礎にはしながら、こちらのやり方を日々学びながら取り組んでいます。
―最後にアジア市場での今後の展開や、ビジョンを聞かせてください。
現時点はまだ竣工したばかりの賃貸倉庫の管理運営に力を注がなければならない状況ですが、それにとどまらず、今後は、阪急阪神ホールディングスグループの不動産事業の海外子会社として、将来を見据えた新たな事業の種を探していきたいと考えています。