外資系リーゼントマネージャーが語る海外の人材マネジメント (3/3) | アジア 人事管理 人材育成進出企業インタビューならヤッパン号


外資系リーゼントマネージャーが語る人材マネジメント (3/3)

Microsoft Singapore Pte Ltd Senior Manager 岡田 兵吾

外資系リーゼントマネージャーが語る人材マネジメント (3/3)

ダイヤモンド社の人気コラムニスト・著者としても活躍し、アクセンチュア、デロイトコンサルティング、マイクロソフトと、20年間以上もグローバルトップ企業で活躍し、多国籍なメンバーをマネジメントする岡田氏。海外では、報連相を待ってはいけないと言う。その理由について、岡田氏に語って頂いた。(3/3)

海外に報連相はない!リーゼント式マネジメントの秘訣 3C

―リーゼント式コミュニケーションの秘訣「HHP+C」を実践すれば、海外でもうまくマネジメントできるようになるでしょうか?

いえ、コミュニケーションはあくまで、マネジメントをする上で大前提として必要になる「信頼関係」を築くために重要なことです。マネージャーだけでなく、グローバルな環境で働く方なら誰でも必要な力です。

デロイトコンサルティング時代、多くの日系企業の現地社長とお会いしましたが、中には「外国人はみんな同じ顔に見えてしまって、いつまで経っても従業員の顔が覚えられないんですよ。」と笑いながら言っている方がいました。そういう考え方の日本人では現地従業員をマネジメントするどころか、仲良くなることもできません。

また、日本では役職があれば部下も指示に従ってくれるため、意外と現地社長クラスの方でも、赴任してから「信頼関係を築く」マネジメントに苦慮されることもあるようです。

信頼関係を築けばすべてうまくいくわけではありませんが、築けなければ、他にマネジメントの工夫をしても意味はありませんから、非常に重要なポイントではあります。

 

―では、信頼関係を築いたとして、日本人が現地でマネジメントする際に気をつけるべきことはありますか?

マネジメントの秘訣もあります。これも私が考えたものですが、マネジメントに必要な「3C」。Clarify、Command/Collaborate、Checkの3つの頭文字からとっています。

Clarifyは、直訳すると「明らかにする」という意味で、ここでは行うべき仕事のタスクを洗い出し、どのタスクが誰のタスクなのか、明確に分けることです。

Command/Collaborateは、指揮、もしくは、協創し、組織を牽引することです。的確な指示が取れ、メンバーが順調にタスクを進められる環境を作ることがマネジメントで重要です。

Checkは、確認することです。タスクの進捗具合や、それぞれのメンバーの状況など、確認するのはマネージャーの仕事です。

この中で、よく日本人マネージャーが海外で失敗するマネジメントがCheckです。日本人は、海外でも従業員や部下に対して報連相を求めますが、グローバル企業では報連相の文化はありません。報告、連絡、相談、それぞれの業務がないかというと、もちろんありますが「部下が上司にするべきもの」ではありません。

―報連相がないのであれば、マネージャーはどうやって情報を集めるのでしょうか?

マネージャーの仕事は、組織やプロジェクトを推進し、成果を出すことですから、情報を自分で聞きに行くのが当たり前なんです。特にこれまで私が働いてきたような外資企業では、上に行けば行くほど、下からの報連相を待つのではなく、自分から状況を確認しに行きます。

昔の上司のデロイトコンサルティング・マレーシアの社長やアジア域内で活躍するパートナーたちは多忙な中であっても、各メンバーに対して積極的に“How can I help you”と聞きに来ていました。彼らは、自分たちで積極的に情報を集めることで、プロジェクトが問題なく推進できるようマネジメントしています。

「報連相はない」と言ったのは、本当に業務として行われていない、という意味ではなく、マネージャーの責務として、報連相を待つのではなく、情報は積極的に探しに行くべき、という意味です。

―日本とは、少しマネージャーの役割の捉え方が異なるのでしょうか?

マネージャーは、上司、というよりも、タレントのマネージャーのような役割というイメージです。タレントのマネージャーで、タレントを部下のように扱う人はそうそういないでしょう。仕事が順調に進むように、細かく状況を確認し、何かあればフォローする役回りだと思います。

海外では、ジョブディスクリプションで各メンバーの業務が明確に分かれていますが、中にはどうしても、誰のジョブディスクリプションからも漏れてしまう業務が発生してしまうものです。そういう業務も、マネージャーが積極的にフォローするべきポイントです。

―最後に、これから海外での人材マネジメントを行う方や企業に向けてメッセージをお願いします。

海外で、現地の人たちを雇用して事業を行うのであれば、日系企業だけでなく、外資企業、ローカル企業、それぞれがどうやって雇用し、育成しているのか、まずはそれを知っておくべきです。

そして何より大切なのはハートです。海外は何でもロジカルだと思われがちですが、海外の人も結局最後はハートで物事を判断します。しっかり現地の人たちとコミュニケーションを取り向き合うことを大切にしてください。外国人は日本人と違うと言っても、日本人同士だって一人一人違います。相手の国籍だったとしても、まずは相手とハートでつながることがマネジメントの第一歩です。

海外での挑戦、苦労も多いかと思いますが、頑張ってください。STAY GOLD!

▼岡田兵吾氏が執筆する書籍やコラム

書籍 :すべての仕事を3分で終わらせる 外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術(ダイヤモンド社)
コラム:STAY GOLD! リーゼントマネジャー岡田兵吾の「シンガポール浪花節日記」(ダイヤモンド・オンライン)

記事の監修

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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