外資系リーゼントマネージャーが語る海外の人材マネジメント (1/3) | アジア 人事管理 人材育成進出企業インタビューならヤッパン号


外資系リーゼントマネージャーが語る人材マネジメント (1/3)

Microsoft Singapore Pte Ltd Senior Manager 岡田 兵吾

外資系リーゼントマネージャーが語る人材マネジメント (1/3)

競争激しいシンガポールで15年以上活躍し続け、現在はマイクロソフトのライセンス監査業務の日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの4か国の責任者を務める岡田氏。書籍「すべての仕事を3分で終わらせる 外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術」の著者でもあり、ダイヤモンド社のビジネス情報サイトにて、「STAY GOLD!リーゼントマネジャー岡田兵吾の「シンガポール浪花節日記」」を連載する人気コラムニストとしての顔も持つ。
アメリカ留学後、アクセンチュア(アメリカ)、デロイトコンサルティング(シンガポール)、マイクロソフト(シンガポール)と、グローバル企業で活躍し続け、日本企業での勤務経験を持たない。そんな海外のグローバル企業で活躍し続ける岡田氏から見る日本企業のグローバル化の課題について話を聞いた。(1/3)

外国人と働き続けてきたからこそ感じる日本企業の課題

―岡田さんがこれまで積まれてきたキャリアについて教えてください。

外資系で働くようになったきっかけは、アメリカへの1年間の留学でした。もともと小さいころから海外に強い憧れを持っていた私は、大学へ入学してからは旅行や留学でとにかく海外へ出向いていました。一時期は国際ジャーナリストを目指していて、その夢は残念ながら叶えることができなかったのですが、海外への憧れは収まらず、アクセンチュアに就職しました。 私のキャリアの特徴は、よくも悪くも日本企業で働いた経験がないことです。普通、アクセンチュアとかデロイトなどの外資系コンサルティングファームでも、基本的に日本人は日本人の上司の下でキャリアを積むことがほとんどなのですが、私の場合は、ほとんど最初から完全に多国籍の中でキャリアを積んできました。 アクセンチュアでの最初の部下は、3名の日本人とアルゼンチン人とイタリア人でした。海外派遣プログラムの1期生になることができ、いきなりアメリカのグローバルチームで働く経験を積むことができました。 当時はCRMに注目が集まり始めた時期で、世界で初めてCRMに関するビジネスコンセプトを生み出したのもアクセンチュアです。そのアクセンチュアで、アメリカと日本で多国籍チームの中に入って最先端のCRMサービスラインを立ち上げていたため、日本人だけでなく、外国人から仕事を学ぶ機会がありました。 また、アメリカ駐在中は、世界最大の建材機械メーカーの本社でチームリーダーとして、全世界の販売会社向けディーラーシステムの設計・開発を担当し、日本への帰国後も、シンガポールにいるアメリカ人パートナーの下、9か国11名の多国籍チームをマネジメントしていました。 その後、アメリカへの転籍を希望したのですが、当時は転籍の枠が設けられていなかったため、あえなく帰国することになります。それでも海外への想いが強かったため転職活動を行い、その中で最終的にご縁を頂いたのが、マイクロソフトのシンガポールでした。 一度はシンガポールのデロイトコンサルティングに転職しましたが、マイクロソフトシンガポール時代の上司から新部署の立上げに誘って頂き、現在は再びマイクロソフトシンガポールで働いています。マイクロソフトは合計12年ほど勤務しています。  

―日本企業が海外で抱えるマネジメントの課題は何でしょうか?

マネジメントを考える上で、企業のグローバル化、個人のグローバル化、の2つが必要だと思います。 まず、企業としてのグローバル化ですが、世界的に見れば、日本企業の人事制度は特殊です。例えば、給与面。日本企業の海外法人の場合、日本人駐在員に対しては、手当など高い報酬を提供するのに対し、現地の従業員には高い報酬を用意しない傾向があります。欧米企業や現地企業は、能力が高ければ現地従業員にも高い給与を提示しますが、日本企業だけはそういった習慣を持たない企業が多いです。しっかりと給与や待遇面で、外資企業は現地企業に対してコンペティティブな条件を提示しなければ、そもそも優秀な人材を集めることはできません。 私はデロイト時代に、日本企業の海外法人における人材管理に関わっていたこともありましたが、やはり能力に関係なく、日本人が高給取りで、現地従業員の給与は相対的に低めでした。日本人駐在員も、現地従業員も関係なくスキルマップに当てはめてみたところ、能力値と給与額が見合っていない、ということもありました。これでは、現地従業員がモチベーションを高く持てるはずもありません。公平性のある人事制度・給与設定も、グローバル化にとって重要なポイントです。

―そのほかに、企業がグローバル化するべきマネジメントはありますか?

今後のことを考えると、ワークフレキシビリティーへの理解が必要になっていくのではないでしょうか。マイクロソフトが出している資料の中で、ITによる企業変革について、日本企業が一番強い関心を抱くのは、ガバナンス・プロセス管理でした。しかし、世界全体的には、リモート管理やコラボレーションへの関心が強くなっています。 特に、東南アジアは、まだ交通インフラも整っていないことから、出勤に時間がかかります。そのため、東南アジアの若い世代、特にミレニアル世代は、在宅での勤務など、新しい働き方を求めている人も少なくないのです。 また、日本企業の、自由な働き方を許さない傾向も強いと感じています。日本の働き方としては、対面であること、会って話すことを重要視します。それは素晴らしいことですし、日本では重要です。ただ、海外では海外の流れに合わせるべきです。 (次ページへ続く)

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記事の監修

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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