【海外の人材マネジメント特集】東南アジア3カ国で立ち上げと責任者を経験 異なる3カ国で実績をあげるためのハウツーと信念 | シンガポール、 タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾、香港、インド、中国進出企業インタビューならヤッパン号


【海外の人材マネジメント特集】東南アジア3カ国で立ち上げと責任者を経験 異なる3カ国で実績をあげるためのハウツーと信念

Reeracoen Recruitment Co.,Ltd Managing Director 嶋 航

【海外の人材マネジメント特集】東南アジア3カ国で立ち上げと責任者を経験 異なる3カ国で実績をあげるためのハウツーと信念

2011年のシンガポール進出を皮切りにアジア全土に進出してきたReeracoen Recruitment Co.,Ltd.
今回は3カ国での立ち上げと責任者を経験し、現在はタイ拠点の責任者である嶋 航氏に異なる3カ国で実績をあげるためのハウツーと信念を聞いた。

▼御社の事業内容や従業員、嶋様のポジションについても教えてください。

リーラコーエンの海外事業部の事業内容としては、人材紹介をメインとして、その他にはBPOやHRテック系のサービスなどを行っています。現在はシンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾、香港、インド、深センに拠点を置いています。 当タイ拠点は、バンコクに70名、チョンブルに20名の従業員がおり、日本人はバンコクで10名、チョンブリは5名で、あとは全員タイ人スタッフです。 私はタイ法人の責任者として、日系企業に向けたタイ人求職者の紹介、日本人向けの転職斡旋、日本人向けの海外転職サイト「ABROADERS」の運営、この3つを統括しています。

▼嶋様のご経歴を教えてください。

前職は、日本の会計系のコンサル会社で、会計や財務などのコンサルティングを約4年間していました。その後ホーチミンの支店で、責任者として約3年間日本と同じ様な仕事をしました。 そこを退職し、Reeracoenに入社してから6年弱です。入社後は、フィリピン拠点の立ち上げを行い、そこの責任者を約2年担当しました。私がいる間に規模が30人程になり、フィリピン拠点の運営と並行し、ベトナムも立ち上げて、ベトナムとフィリピンを掛け持ちで責任者をしていました。そのあとタイにもアサインされて、1年くらい全部掛け持ちで、エリア責任者のような形でした。 ただタイの規模が大きく、3か国の掛け持ちでは思うような結果がでない状態でした。そこでタイだけに注力するということで、今はタイだけの責任者になったところです。

▼フィリピン・ベトナム・タイと3カ国を経験されていますが、それぞれの国の人の特徴や仕事に対する考え方の違いはありますか。

国民性の違いというのはあるかもしれません。 ざっくりいうと、フィリピン人は“オープンで明るい、英語が通じるのでコミュニケーションがとりやすい”ということが挙げられます。ベトナム人は“まじめで日本人と気質が近く、勤勉で一緒に働きやすいですし、日本語を話せる方も多い”です。この2カ国に関しては、ストレートに自分の意見を言うというところがあります。 タイについては、“建前と本音を分ける”印象があり、今だに正直まだ掴みきれていないところですかね。

 ▼タイのスタッフに対してのトレーニングやチームビルディングのために行われていることはありますか。

業務的なトレーニングは、日本の様に体系化されたものではなく、チームリーダーがチームの中で独自に行っています。 それ以外に特別な研修というのはないですが、情報・日本文化のシェアと朝のアイスブレイクの目的で朝礼を毎朝行っています。 朝礼では、日本の漢字の成り立ちをイラストを使いながら学ぶとか、他の国のカルチャーや食などといったトピックを学んだり、楽しみながら1日が始められるよう工夫しています。週5回のうち2回を私が担当し、あと3回を他のスタッフにお願いしています。 あとは日本語教室が2週間に1回あり、そのときに日本人の考え方や文化・働き方といった項目についてはきちんと時間を使って共有しています。

▼嶋様が取り入れられている人材・チームマネジメントについて詳しくお話を伺いたいです。

人材業ではひょっとしたら異例なのかもしれませんが、チーム制で数字を追っているところです。 営業チームとキャリアコンサルタントチームを、それぞれ4・5チームくらいずつに分けています。目標を達成したら食事会に行くなどし、チーム内メンバー同士仲がよく、居心地がいいようです。 チームリーダーは目標を達成すればチームコミッションが入ります。チームで達成したほうがコミッションの額が大きくなってくる等の制度を取り入れ、自分の数字のみを追うというよりは、チームでの数字を達成させようというマインドセットになることが狙いです。弊社は他社に比べて離職率が低いと思いますが、このチーム制が離職率を抑えていると言えます。 また月次でのインセンティブも支払っていますが、四半期単位でもインセンティブを敷いているので、仮に月単位で達成していなくても、四半期で達成すればコミッションを払うという形のため、毎月毎月数字を追っていくという疲弊感は出ないです。 加えて、個別でも達成するとそれなりにインセンティブが出るところも大きいように思います。 チームリーダーは、日本人とタイ人の両方がいますが、日本人チームは、私が直接日本語でコミュニケーションがとれるので細かく管理できる一方で、タイ人は言語の壁もある為こちらの意図が伝わっていなかったり、相手に嫌われたくないという意識が働いたり、基本的に優しくなりすぎますね。 “人前で叱られるのを極端に嫌う”というよく言われるタイ人に対する認識は、弊社では実際にしたことがないのでないのでわかりませんが、どこの国でも一緒だと思います。フィリピンでもベトナムでもそういうところはあると思いますし、日本でも特に若い方はそうだと思います。基本的にタブーと言ってもいいくらいで、絶対にしません。

▼人事評価と福利厚生についても教えてください。

年に2回人事評価をして昇給を決めています。ただ6ヶ月単位だとフィードバックが遅くなってしまうので、チームリーダーに対しては月次でもフィードバックミーティングをしています。先月の振り返りを月次でフィードバックしスコアリングして、コミッションや評価に連動させたりしています。チームリーダーがメンバーを月次でフィードバックすることもあります。 これは日本拠点とは違ったこちら独自のシステムです。チームリーダーは向上心がある人ばかりですし、給料を上げるためには売り上げを上げなければならず、売り上げを上げるためには毎月のミーティングが必要だと、丁寧に説明するところから入り、すんなり受け入れられました。目的感がしっかりしていればアレルギー反応はありません私自身が、細かく経営計画を追っていくマニアックなところがあり、慎重に行っているので大失敗はないですね。 福利厚生に関しては、パーティーや年に1回のカンパニートリップ等行っています。海外でのマネジメントはこういったイベントごとで一体感を醸成するのが非常に重要かと思っております。

▼マネジメントされる中で意識されていることはなんですか。

感情の起伏を出さないということです。小さいことかもしれませんが、忙しい時であっても忙しそうにしないとか。感情的になると大概失敗してしまいます。 また感情の起伏を出してしまうと部下に怖がられるようになります。ポジション的に一番上なので、第一線での営業もしませんし、求職者と話す機会もあまりありません。ということは現場から一番遠いんですよね。立場的に怖がられると、現場の意見が正しく入ってこなくなります。そうなると、自分の意思決定を間違えてしまう 現場の意見が正しく入ってくるようにするためには、メンバーやリーダーにある程度距離が近いとか、話しやすいといった環境でないといけません。悪い意味で自分に跳ね返ってくるものなので。

▼勤怠管理についてはどうでしょう。

やはりここにも国ごとに違う特色があると感じています。 フィリピンでいうと、遅刻の回数を重ねるごとに、口頭での注意⇒書面で警告⇒出勤停止⇒解雇のようなルールを設けることで、出勤時刻に対する意識を高めることができました。 一方ベトナム人は基本的に真面目で遅刻することも多くないため、あまりルールを作って意識的に管理しなくてもよかったのです。 その点、タイが一番難しいです。遅刻も多いですし、他の企業のルールが緩い中、弊社だけ厳しくすると辞めてしまうでしょう。 正直、制度的な問題もあると思います。年間30日は病気で欠勤できるという制度での他、有給などを含めるとトータルで年間50日以上休むことができる制度なので、厳しくしづらいのです。 あとは遅刻したとしても普通に8時間勤務として給与が支払われるという習慣がある点です。例えば、1時間遅れてきたとしても8時間分払わないといけない。そういったところで厳しくしづらいところがある。 月間の遅刻数が一定数を越えたらWarning Letter(警告)を出すということはしています。勿論、評価に反映させてはいますが、罰則を厳しくしないと、この警告もあまり効果を発揮しません。そして、罰則を厳しくすると、失業率1%のタイにおいて、退職リスクが高くなってしまいます。 少し前に皆勤賞制度も他社同様取り入れましたが、皆勤賞のおかげで、遅刻の多いスタッフの遅刻が減るということもあまりないですね。どちらかというと、真面目に出社している人が、もっと真面目に出社するということになり、遅刻の多い人はあまり改善が見られません。

今後のビジョンについて教えてください。

タイ法人のビジョンというと、今のところお客様の8,9割が日系企業です。今後の短・中期的な方針としては、外資・ローカル企業を開拓するというところです。 もうひとつは、日本人の採用支援をもっとしていくというところです。現在は月間5名ほどの採用決定ですが、日本人マーケットも大きいのでまだまだ伸ばせると思います。 この2つで売り上げを1.5倍にできると考えています。これをあと2年くらいで達成したいですね。 個人的なビジョンでは、基本的にずっと海外でやっていきたいと思っています。 今現在はタイ法人、その前はベトナム・フィリピンの責任者として裁量を持ち、会社の信用力と資金を活用をもとに経営の意思決定ができる。そこは勉強になりますね。自分なりに試行錯誤しながらうまくやってきたやり方などをきちんと言語化して、将来的にはコンサルティングといった形で提供できれば一番いいですかね。特に海外における人事制度設計とか、営業の数字を出させるところ、その辺りは実務的なノウハウがそれほど出ていないところだと思いますので、需要はあると思いますし、挑戦していきたいです。

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

このサイトをフォローする

掲載情報については取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。
ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は
何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。
くれぐれも慎重にご判断ください。

一覧に戻る


海外視察ツアー
海外ビジネスセミナー
海外進出支援の専門家
海外進出Q&A
ページ上部へ
海外視察ツアー
海外ビジネスセミナー
海外進出支援の専門家
海外進出Q&A
海外ビジネスニュース
海外進出企業インタビュー
運営会社
運営方針
利用規約
プライバシーポリシー
商標について
特定商取引法に基づく記載
外部送信ポリシー
ご解約はこちら
イシングループの
メディアリンク