【海外の人材マネジメント特集】リモートワークが増える時代だからこそ、トップダウンではない主体的な目標設定が求められる。 2/2 | シンガポール、ベトナム進出企業インタビューならヤッパン号


【海外の人材マネジメント特集】
リモートワークが増える時代だからこそ、トップダウンではない主体的な目標設定が求められる。(2/2)

PRAP POINTS Singapore Managing Director 山本紘章(Hiroaki Yamamoto)

【海外の人材マネジメント特集】
リモートワークが増える時代だからこそ、トップダウンではない主体的な目標設定が求められる。(2/2)

シンガポール、日本、ベトナムと展開するPRAP POINTS Singapore。
代表の山本紘章 氏にシンガポールでの事業立ち上げの経験と、チームメンバーとのコミュニケーション、目標管理の考え方について伺った。

  

▶山本様のご経歴について教えてください。

もともと日本の中規模広告代理店で、ずっと営業畑でやってきました。30代前半で営業部長、取締役になりました。

ただ中規模の広告代理店で、日本国内においてどう事業を拡大していくかという課題がありました。新しい収益の柱になるものを作っていかないといけないということで、私がもともと海外に興味があったこともあり、海外事業を立ち上げることになりました。海外でのコネも経験もなく、シンガポールに来たのが2012年の6月です。

シンガポールに来てからは、NUS(シンガポール国立大学)のパートタイムのMBAに通いました。

MBAで勉強もしながら、駐在員事務所を作り、様々な関係者とのコネクションをつくったり、事業計画を作成したりしていましたが、日本本社としても“売上という結果”を求める時期に差し掛かっていました。

もちろんゼロから始めているため、ある程度時間がかかるという事は予測していました。ただ短期的な成果を求められていることは分かりながらも、私自身はもっと長期的にシンガポールで仕事をする覚悟を持っていました。

その後、2016年に独立して自分の会社を立ち上げました。

▶NUSのMBAに通われてたのですね。

パートタイムのMBAであればキャリアをストップせずに勉強もできるという利点があり、世界各国から集まった学生と勉学に励みました。

MBAを受験する上で、英語力以上にそれぞれのバックグラウンドが重要でした。

幸運なことにマーケティングがバックグラウンドの候補者がいなかったことや、MBAのコーディネーターがマーケティング出身の方で面接も非常に盛り上がったことを覚えています。

▶山本様がチームメンバーをマネジメントをされる上で、苦労された経験や、大切にされていることはありますか?

日本時代の苦い経験にはなりますが、若い人材を新卒・中途で沢山採用して新規営業をさせていたのですが、彼らが次々と辞めていく時期がありました。

やっぱりトップダウンで指示を出すだけだと、出される側はストレスが溜まっていくばかりだと感じました。そのため、前職時代の後半からは、仕事をやらせるのではなく、いかに本人がやりたいと思うかが大切だという考えを持つようになりました。

「目標管理」に重点を置くと先ほど申し上げた点にもつながるのですが、あくまでも主体は本人であり、私はサポート役だと考えています

こちらから押し付けた目標であればコミットしてくれないでしょうし、メンバーとはディスカッションを重ねながら、本人の主体性の中で目標設定ができればと考えています。

またシンガポールにきて、日本と海外の仕事に対する考え方が違うと感じることがありました。

お客様から予算をいただいてイベントのブースを設営した時の話なのですが、日本の感覚だとやはりそういう場所は常にきれいに保つべきだと考えます。どんな立場であろうと、ごみが落ちていたりすれば気になってしまいます。それが“おもてなしの精神”ですよね。

その考え方をローカルのスタッフに伝えた際、「それは私の仕事じゃないです」と言われてしまったんです。その時はただただ驚いていたんですが、よくよく考えたらシンガポールだとファストフード店で食べ終わった後も自分でトレイを下げたりしないんですよ。掃除をすることが仕事の人たちがいて、自分でやってしまうとその人たちの仕事を奪ってしまうことになるんです。

そういった考え方の違いを共有し、互いに尊重しながら仕事を進めていくことが、日本にいるとき以上に大切だと感じています。

ただ弊社のスタッフは日本に留学していたり、日本語も喋れたりするメンバーがいるため、考え方の共有は思ったよりスムーズにできています。

 

▶日本語ができるローカルスタッフを採用されているんですね。ローカルスタッフの採用活動はどうされていらっしゃいますか?

リファーラル(紹介)で採用するケースがほとんどです。

一人目はNUS時代のつながりから採用を行いました。その後はそのローカルスタッフに採用担当も担ってもらって、興味がありそうな人材をどんどん紹介してもらったり、協業している会社の子が働きたいと移ってきてくれたり、エージェントを経由しない採用ばかりですね。

あとはプロモーションのイベントを開催する時にアルバイトを募集するのですが、その時はシンガポール人の日本語学習者コミュニティに働きかけたりもしています。動きのいい子はそのままインターンシップ生になってもらう事もあります。

私自身が日本人コミュニティではなく、ローカルコミュニティとの接点が多いという事も大きいかも知れません。

▶最後になりますが、会社としての今後の展開や目標についてお聞かせください。

コロナウイルスの影響もありクライアントのニーズが変わってきています。ウィズコロナ・アフターコロナの中でデジタルシフトやDX(デジタルトランスフォーメーション)がキーワードになってくると考えています。

弊社としても、どうサービスにオンラインを組み込んでいくのかを考えています。実際、海外出張しなくても海外マーケティングができる世の中になってきていますので。

そこで2020年8月より、デジタルPRマーケティングサービス「CROSS CONNNECT」をスタートしました。

オンラインをフル活用して、まずは「海外メディア向けリリース配信」「オンラインPRイベント」「オンライン記事広告」「クリエイティブコンテンツ制作」のメニューを準備いたしました。今後も東南アジアでの広報・マーケティング活動をはじめたい、見直したいというクライアント企業のニーズにあわせ、規模や所在国を問わずサポートさせていただけるようさまざまなメニューも追加予定です。

こういった新しいサービスや価値をどんどん提供し、時代に合わせた事業運営をしていきたいです。

▶個人としてのビジョンや目標はいかがでしょうか?

「まずは10年頑張ろう」と思ってシンガポールにやってきましたが、気づけばもう9年目です。まだまだやりたいこと、できることは沢山あると感じています。

東南アジアは市場自体も成長段階ですし、日本企業にとっても新しい市場で勝負をした方が成長の可能性は大きいです。そのような日本企業を、PR・マーケティングの側面から今後もお手伝いしていきたいと思います。

  

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。 

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