【海外の人材マネジメント特集】海外経験豊富な敏腕マネージャー | アジア 人事管理 人材マネジメント進出企業インタビューならヤッパン号


【海外の人材マネジメント特集】海外経験豊富な敏腕マネージャー

NICHIBAN(THAILAND)CO.,LTD. Managing Director 東田 憲雄

【海外の人材マネジメント特集】海外経験豊富な敏腕マネージャー

アジアでの経験が豊富な東田氏。2017年にNICHIBAN (THAILAND)を設立し、2030年に海外売上比率30%を目指す。落ち着いた経営手腕で切り拓いていくその先の展望を聞いた。

―タイにおける御社の事業内容や従業員構成について教えてください。

社名はニチバンタイランドでニチバン株式会社の100%子会社です。2017年創立なのでまだ2年ですが、それとは別に40年以上前からタイに合弁の工場があり、セロハンテープ等の工業製品を製造しています。その中に私が2014年に間借して駐在員事務所を作ったところが始まりです。東南アジアでは基本的に販売を各国の代理店にお願いしているので、その代理店の管理をすることが目的でした。その後、駐在員事務所から現地法人に格上げになりました。今はこちらの法人での販売も行っています。売上比率は日本の工場で生産されるものとタイ製造のものが6:4くらいで、日本生産のものは日本から直接第三国に輸出する三国間貿易でタイの現地法人から営業活動及びインボイス発行をしている形になります。 海外での売り上げは全体のまだ7%くらいなので、まだまだこれからというところですね。 タイの次に注力している地域は、アセアン全体とインド・バングラデシュ等ですが、増えているのがタイ・フィリピン・ベトナム・インド・カンボジア、そして最近は中東市場にも注目しています。製品は、タイで作っているのはPanfixブランドのセロハンテープ等の工業製品ですが、今伸びているのは、日本製造の止血補助材や絆創膏ケアリーヴ、バトルウィンテーピング等のメディカル商材ですね。今後もその動向は続くと思います。 タイ現地法人の従業員は、日本人2人、タイ人が8人です。 タイ人の8名は2017年に採用しました。全員が経験者で、輸出、経理、総務のプロですね。営業も営業経験者です。これからは経験が浅い人も採用し、育成していきたいと思っています。 男女比については、日本人2人は男性で、タイ人スタッフは一人を除いて女性です。東南アジアは女性の方が積極的だと感じます。

―人材マネジメントで取り入れていることをお話ください。

採用後2年経ったので権限委譲を考え、スキルアップのための研修制度の充実を目指しています。モチベーションを上げるために外部講師を呼んだり、階層別に研修を行ったりと、日本ではきちんと整備されている制度を、こちらでも構築していきたいです。 幸いなことに、立ち上げメンバーは離職せずほぼ定着しています。給料を高めにしたり、福利厚生や保険などの面を手厚くしたりしている点が要因かと思います。また研修のときなどに個別にフィードバックし、改善点や要望のヒアリングも行っています。その中では「朝の通勤ラッシュがとにかく酷く、AM4:30に起きないと会社に間に合わない。もう少しフレキシブルに働きたい。」などという要望が出てきたり、都度可能な限り対応しています。ただ、毎日遅刻なしで出勤したスタッフには皆勤賞を設けたり、病欠が少ない人に対してはヘルシー賞というのも設けたりしています。こういった部分もスタッフのモチベーションに繋がっているのではないでしょうか。 【NICHIBAN(THAILAND) Management Philosophy】

 NICHIBAN(THAILAND)HP「Management Philosophy」より

弊社の企業理念の3番目の「社員がワクワクしながら物心両面で成長できる会社にします」というものはタイ法人独自のものです。タイでは、基本的に「楽しくやりながら」「ファミリーのような」という働き方が好まれます。 タイの人は人前で叱られるのを嫌うと言われますが、納期や時間等、必ず守らなければならないところについては、特に役職が上のスタッフに対しては敢えて皆の前で言ったりもしますね。 また評価については、日本と全く同じものを取り入れています。日本だと自己評価を控えめにつける傾向がありますが、こちらは皆最高点をつけてきます。自己評価があった上で優劣をつけることになるので、フィードバックや面談を通して評価の理由を伝えていますが、全員が納得するのは難しいですね。

―東田様個人の経歴を教えてください。

ニチバンには2011年に中途入社しました。その前は別の会社で、中国や台湾やインドネシアなど、海外畑を歩いてきました。直前にタイにも一年いました。ニチバンとは全く別の業種です。前の会社は大き過ぎて、自分のできることが限られると感じ、自分の力でやってみたいと考え転職しました。ニチバンとしては初めての海外販売拠点としてバンコクにきたので、現地の財閥との付き合いができたり、地元のサッカーチーム等にアプローチしたり、そういう懐に入って関係を築けているのはこちらに来たからこそできた経験で、会社的にも個人的にも今後に大きく役立つと思います。 タイでの滞在も5年ほどになり、組織全体で考えると若手にも経験積ませていきたいと考えています。

―人材マネジメントでうまくいっているところと、課題だというところについて具体的に教えてください。

即戦力の人材を採用したこともあり、個々の目標や課題に対する問題解決は個々人でうまくやっていると感じます。タイ国内の営業でいえば、実務の話はタイ人同士でやって、数字が伸びていけばそれが結果ですし、輸出業務は全体売上の90%超で屋台骨です。最初は色々問題もありましたが、今は大きな問題もなく、改善を繰り返しながら業務を行っています。 そう言ってしまうと、一人一人が個人事業主の様になり、チームやファミリーといった観点で支障も出てくるのではと思われるかもしれません。しかし、弊社では日系会社に魅力を感じ、仕事熱心であり、ファミリー感も大事にしながら楽しく、会社の中での自分なりの成長も求めている、そういう弊社にマッチする人材を採用の段階でうまく集めていると思います。 日本企業の海外法人では、現地スタッフとのコミュニケーションの課題があると聞くことも多いですが、弊社では特に問題にはなっていません。もともとスタッフのTOEICの点数も200点から700点までとばらつきがありますが、彼らも英語の勉強を頑張ってやっていますし、こちらも相手に合わせた英語でコミュニケーションをとっているからだと思います。もちろん、はじめは通じていないなと思うことも多々ありましたが、相手もわからないことはわからないときちんと言えるようになってきましたし、お互い表情を読み取るといったこともできるようになってきました。これも2年間スタッフの入れ替わりがあまりなかったことが大きいと思います。とはいっても、若い人に関しては考え方の違いなどもあり難しさを感じることもありますが。 課題は“人を育てる”というところですね。一生懸命やる人はいいのですが、そうでない人や若手のモチベーションを上げて、現地スタッフの役職者にどうマネジメントさせるかという点です。そこまでのところの制度化はできていないです。もともとそれぞれを即戦力として採用してきたのもあるので。 また、労務管理・勤怠管理の分野で、病欠が多かった人についてのバランスのとり方の課題もありましたが、許容範囲に抑えられました。 全体的には、私が海外で長くやってきたからか、苦労は勿論ありますが、大体想定内におさまっていると思います。悪い方の想定もあらかじめしておいて、それが派生して今があります。

―今後のビジョンについてお話ください。

【NICHIBAN GROUP 2030 VISION】

ニチバンHP「中長期ビジョン・中長期経営計画」より

ニチバン全体としては2030年までに海外売上比率30%というのが大きな目標です。日本とタイ(=東南アジア)とヨーロッパと3エリアで売り上げを伸ばしていきたいです。 会社の中での個人的な目標は、メディカル関連のものは、今は殆ど日本で作られているので、これからはそこの部分も海外で作っていければと考えます。タイ工場は工業製品だけなので今後はメディカル製品も作っていきたいと。 私自身の目標・ビジョンとしては、海外を伸ばすために新しいことをやっていきたいです。自分たちでやるだけでなく、協力会社さんを見つけて組むのも一案ですし、仕組み・スキームとして考えていくことが必要と思っています。 また、人材育成に力を入れ、若い後継者を早い段階で育てたいと考えています。

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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