海外マネジメント対談 人材育成 アルー × 勤怠管理 HUUBAP (2/2) | アジア 人事管理 人材育成進出企業インタビューならヤッパン号


海外マネジメント対談 人材育成×勤怠管理(2/2)

Alue Singapore Pte Ltd Managing Director 羽鳥 丈太

海外マネジメント対談 人材育成×勤怠管理(2/2)

アジアの人事対談シリーズ第二弾。今回は、HUUBAP奥畑氏に加え、人材育成のプロフェッショナルであるアルーシンガポールの羽鳥氏を迎え、アジアにおける人材育成について対談頂いた。海外におけるマネジメントの一つに、アウトプットによるマネジメントがあるが、羽鳥氏が、その裏にあるエビデンスによるマネジメントの重要性を語った(2/2)

アジアにおける人材マネジメントの形

―日系企業が抱える海外でのマネジメントの課題は何でしょうか?

羽鳥氏:課題はいろいろあると思いますが、最近出てきたというよりは、昔からある課題が今もなお残っているのではないでしょうか。日系企業の人材マネジメントの課題は3つです。高い報酬体系と明確なキャリアパスを用意している職務制の非日系企業を競合に「優秀な人材を”採用”し、”育成”し、”定着”させるために日系企業として何をすればいいのか」です。 人材の採用や育成だけでなく、人事制度も含めて現地の習慣に合わせていく必要があります。たとえば、日系企業の場合、「ミッション、ビジョン、バリュー」のうちのバリューに該当する「行動指針」を理念浸透している企業も多いです。 重要な取り組みなのですが、実は日本で作られた行動指針の表現を英語に翻訳しただけでは現地の人からすると、理解し難いことが多いです。なぜならば、行動指針の多くが「誠実さ」といったように、現地社員からするとBelief(信念)として受け取られるため、具体的な行動イメージが持ちにくいからです。企業としては理念浸透して現地社員に理念を体現してほしいと思っても、現地社員からすると行動イメージがわかないため、期待される行動が組織内で発揮されないのです。 現地社員にとって行動イメージを持ちやすくするためには、バリュー(行動指針)をコンピテンシー(行動特性)に落とす必要があります。コンピテンシーにすることで、現地社員は具体的にどんな行動をすればいいかイメージすることができるため、職場での行動の変容も期待できます。 これはあくまで、一例に過ぎませんが、現地社員にとって理解し難いことが日系企業には多くあるということを認識した上で、現地社員にとってパフォーマンスが出しやすい組織と制度を整えていく必要があると感じています。

―具体的に、どのようなマネジメント法であれば、うまく現地でマネジメントできると思いますか?

奥畑氏:この場で言うと少し変な話になるかもしれませんが、海外では「人」のマネジメントは、敢えてしないことも一つの方法かと思っています。 弊社のシンガポール法人は、エンジニア中心の企業で、20名以上のエンジニアを雇用しています。それぞれ、プロジェクトベースでチームを組んで動いてもらっていますが、基本的には、アウトプットでのマネジメントしか行っていません。一週間で期待できるアウトプットを算出しておき、それができているかどうかを判断する流れです。 これは前提として、弊社エンジニアが、フィリピン、インドネシア、スリランカなどに滞在していて遠隔でマネジメントしている、という理由もありますが、何年も試行錯誤しながらマネジメントに取り組んできた結果、この形でうまくマネジメントできるようになってきました。だから、無理に「人」をマネジメントせずに、「アウトプット」でマネジメントする方が、アジアの人たちに適したマネジメント方法のような感覚を持っています。 羽鳥氏:確かに、「アウトプット」によるマネジメントは、透明性と公正さが担保されたマネジメントとして効果的だと思いますし、多くの非日系企業のマネジメントに近いと思います。海外は、日本よりもエビデンスベースでマネジメントしています。パフォーマンスを出したかどうか、ジョブディスクリプションに記載されているジョブを遂行したかどうかエビデンスを残して評価していきます。 たとえば、シンガポールでは現地社員が定期的に遅刻するが、上司から注意しても一向に改善しないといった声を聞きます。アジアのいくつかの国ではRubber Time(ゴムの時間)という言葉があり、時間はゴムのように伸び縮みするので気にしないといった意味です。つまり、時間を厳密に守る必要はないという意識があります。「5分前行動」のように時間は必ず守るといった日本の文化とは対照的な価値観です。 こういったRubber Timeの意識を持つ社員に対しては口頭で注意するだけでは改善されることは見込めません。遅刻が継続する社員には、社長の署名付きで解雇または減給などの処分を下すといったことが明記されたWarning Letter(警告文)を本人に送る必要があります。このように会社としての意思を明文化してエビデンスが残るようにしていかないと、現地社員の行動は変わりにくいです。 日系企業が海外のマネジメントをする上で重要なことは、遅刻といった就業規則に関することだけでなく、ジョブや目標、プロセス、結果などすべてを文書に落として関係者間で共通認識を持ちながら進めていくことです。 奥畑氏:では、御社がシンガポールに日系企業に研修をする際は、そういったエビデンスベースでマネジメントすることについて、研修で教えることが多いのでしょうか?  羽鳥氏:研修で伝えていますが、正直なところエビデンスベースでマネジメントする人事制度にまではなかなか踏み込めない企業が多いです。 なぜかと言うと、日本企業の人事制度の慣習がエビデンスベースでのマネジメント、評価に対応しにくいからです。また、日々エビデンスを残して部下とコミュニケーションしながら評価をすることに、心理的抵抗を感じる日本人も少なからずいます。 そのため、日系企業においては、海外でのマネジメントは、エビデンスを細かく残してマネジメントする文化がある、ということを認識しておいて欲しいです。日本本社のマネジメントのやり方とは全く違うため、現地に即した人事制度やマネジメント体制を整えることが、海外での人材マネジメントを成功に繋げる1つのポイントだと考えています。

―今後、海外で人事マネジメントに携わる中で、どんなことを目指していらっしゃるのか教えてください。

奥畑氏:私たちは、人事部、人事担当の方々が、本来的の職務を果たせる環境を整えたいと思っています。人事部、人事担当の方々の本来的に重要な職務は、人事制度や社内カルチャーをどうするべきか、というところを設計することだと思います。しかし、多くの場合、給与計算などのバックオフィス業務に時間を追われてしまっています。 そこを、弊社のキングオブタイムで、勤怠管理から、給与計算、給与支払いなど、人事管理業務をすべて請け負うことで人事の方々の時間を作り、最終的には、クライアントのよりよい組織づくり、会社作りに貢献していきたいです。 羽鳥氏:私の中では3つあります。まず、人材育成の面では、「社員の行動変容」までお手伝いすること。正直な話、研修単体が果たせる効果は、学術的に言っても、社員に知識とスキルをセットするだけで、それ以上でもそれ以下でもありません。ただ、企業の社長や人事の方と話すと、皆さんが求めているのは知識やスキルセットだけではなく、「社員の行動が変わってほしい」、「社員のパフォーマンスが変わってほしい」という行動やパフォーマンスの変化を求めていらっしゃいます。弊社では2016年から「行動変容」という育成の成果にコミットすることを重視していますので、従来の良い研修をやるだけでなく、社員の行動が変容する人材育成を徹底してお手伝いし続けています。 2つ目はアジアで勝つ組織開発です。アジアに進出している企業が、アジアで勝つ組織作りができるよう、企業のミッション・ビジョン・バリューの再構築から、ミッション・ビジョンを達成するための人事制度構築や組織文化、社員の関係性まで、現地の人たちにとって、働きやすく高いパフォーマンスを生み出す組織づくりのサポートをしています。 最後は個人的なことですが、子供教育です。これまで企業向けに人材育成事業をやってきて感じたのは、日本でもアジアでも、どの企業も欲しがる人材は「自分で考えて行動できる人材」です。世の中で求められるこのような人材は、これからの社会を生き抜く上でより強く求められてきています。社会人になってから育成するのではなく、幼少期から自分で考えて行動していく環境をもっとたくさん作っていきたいです。 今朝も、シンガポールにいる日本人保護者向けに講演をしてきたところですが、シンガポール在住の子ども向けや保護者向けにいわゆる国語・理科・算数といった学問ではなく、自分で考える力、やり抜く力などの非認知能力を養うプログラムを提供しています。一方、子供教育で重要なのは、子どもを取り巻く親や、教師の関わり方でもあるため、結果的には大人向けに教育のあり方や自発性を持たせる関わり方などのプログラムを提供することが増えています。このようにビジネスパーソンだけでなく子どもや子どもを取り巻く関係者にも働き掛けていくことをライフワークにしています。 アルーは「夢が溢れる世界のために、あらゆる可能性を切り拓きます」という企業ミッションのために、ビジネスパーソンだけでなく、大人、子供関係なく、世界のあらゆる人の可能性を切り拓くことで夢が溢れる世の中の一助になれるよう取り組み続けています。

記事の監修

日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。

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