日本の不動産は今でも十分に投資する余地がある | アジア全域進出企業インタビューならヤッパン号


日本の不動産は今でも十分に投資する余地がある

株式会社ビーロット 取締役副社長 & シンガポール法人President 長谷川 進一

日本の不動産は今でも十分に投資する余地がある

2008年設立の株式会社ビーロット。2014年にマザーズ上場、2018年に東証一部変更、リーマン・ショック後の不動産業界の中では最速で上場している。オリンピック特需で好調な日本国内だけに留まらず、2015年にシンガポール法人を設立。創業者の一人であり、本社役員&SG法人代表を兼任し、ビーロットの海外展開を牽引する長谷川氏に、現在のアジア不動産と、アジアから見た日本不動産市場を語って頂いた。

日本の不動産は今でも十分に投資する余地がある

―まず簡単に、アジア進出までの経緯を教えて頂けますか?

私は前職も不動産会社でしたが、そこで創業メンバーとして常務取締役を努め、JASDAQへの上場、東証一部への変更を経験してきました。その後、その頃に出会った宮内、望月と3名で設立したのがビーロットの始まりです。

ビーロットでは主に、自社開発物件や、リノベーションによってバリューアップさせた物件を販売しています。特に現在は外国人に人気が出そうなホテルなどの物件開発を中心に進めています。シンガポールに進出してきたのは2015年の話で、アジアの富裕層向けに、日本の自社物件を販売することが最初の目的でした。

 

―シンガポールで活動していて、海外投資家は日本の不動産市場をどう見ていると感じますか?

やはり海外の投資家から見ても、東京オリンピックまで全体的に不動産市場の上昇傾向が続くと考えている方が多く、キャピタルゲインを狙う投資家も少なくありません。特に、インバウンド需要を見込んだホテルが人気ですね。

一方で、シンガポールの不動産事情としては、停滞していて賃料が下がり始めていることも、日本不動産への追い風になっています。シンガポールにおいて、日本の競合に当たるのはイギリスなどですが、まだまだ日本の不動産の方が価格が手頃と考えている人が多いようです。さすがに東京は高騰していて少し注目が薄くなってきましたが、代わりに、大阪、京都、北海道、福岡などが注目されるようになってきています。

もちろん、現地の投資家も、物件ごとにしっかりと良し悪しを判断していらっしゃるので、日本の物件ならどんな物件でも人気が出るなんてことはあり得ませんが、良い物件情報があれば、前向きに投資を考える富裕層は、まだまだいます。

―海外の投資家に日本の不動産を販売することは簡単ではないと聞きますが、御社が海外投資家に受け入れられる理由は何でしょうか?

弊社がシンガポールの富裕層にも受け入れられる理由の一つは、自社の開発案件を保有していることですね。今の日本の不動産市場では良い物件がすぐに売れてしまうため、仲介エージェントの情報では後手に回ってしまうことも多いのです。弊社では自社物件を販売していることから、弊社独自の情報に興味を持ってもらうことも多いです。特に、シンガポールの富裕層はニセコに熱い視線を向けていますが、幸いにも私自身が北海道出身であり北海道の情報に詳しいことで、同業他社と比べても彼らの強い関心を得られていると感じます。

その他に言えば、弊社が上場企業だったことも一つの理由です。やはり海外の方々は、どの企業と取引をするか判断する際に「信頼性」を見てきます。上場企業というステータスが、信頼性を担保する一助になっているのは間違いないでしょう。上場企業という信頼性は、海外ではまだ知名度の低い弊社がアジアで挑戦するための武器として、最低限必要だったと思っています。

あとは私自身が、創業メンバー、役員、株主、といった役職や立場の人間であったことも、受け入れてもらえた理由かもしれません。今話した全てを踏まえた上で、やっと初対面でも、現地の富裕層に受け入れてもらえるようになりました。

 

―御社が海外の富裕層に販売している物件としてホテルが多いと思いますが、オリンピック後の不動産価値の減少を気にする投資家はいないのでしょうか?

海外に出てわかったことは、日本の良さは、いっときのブームで終わるようなものではないことです。オリンピックが終わったあとに訪日旅行が極端に減ることはありえないと感じていますし、実際、同じように感じている海外投資家も少なくありません。

もちろん、海外からの旅行者が激減しても、出張やイベント時の宿泊先として活用できるよう、弊社では、カプセルホテルやビジネスホテルなど、お手頃価格の宿泊施設を開発しています。

 

経営を安定させるために海外での存在感を高める

―シンガポールへ進出した理由は何だったのでしょうか?また、なぜシンガポールだったのでしょうか?

前職の時に経験したことですが、リーマンショック後の金融引き締めによって、日本国内に不動産を購入する人がいなくなり、日本の不動産業界全体が非常につらい時期がありました。ビーロット自体は、その中でも成長できましたが、今後こういったことは定期的に起きることだと思っていて、今後の安定成長を考えると、シンガポールなどの海外投資家にも物件を販売できる体制を作っておきたかったんです。実際、ニセコの大きな開発案件も、海外投資家へ販売ルートを獲得できたことが評価され、地場の銀行から融資を受けられました。

進出先としては、同じく日本への投資金額が多い香港も候補ではありましたが、既にシンガポール投資家への販売実績もあったことから、シンガポールの方が顧客基盤を築きやすいと判断してシンガポールを選びました。今後、香港などへの進出も視野には入れていますが、まずはシンガポールでのプレゼンスを更に高めることに注力していく予定です。

まずは、アジアと北海道のパイプ役に
将来的にはアジアの開発案件へも挑戦

―最後に今後の海外における展開はどのように考えていますか?

ちょうど先月(2018年3月)、2年前に開発したニセコのホテルコンドミニアム(ホテル7戸、店舗1戸)を全戸販売完了しましたが、その販売を通しても、ニセコに対するシンガポール投資家からの関心の強さを実感できました。先ほどもお伝えした通り、私は北海道は私の故郷でもありますし、まずは北海道の商品開発を更に進めながら、アジアと北海道を繋ぐパイプ役になれればと考えています。

また、将来的には、日本国内の開発だけでなく、海外の開発案件も手掛けていきたいと考えています。率直に言えば、バングラデシュ、ラオス、ミャンマー、カンボジアなどでの開発案件は、国家が未成熟なことから不確定要素が多すぎて難しいと考えています。今はタイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムあたりが候補でしょうか。いきなり大型案件と言うより、まずは実験的に、少額で投資できるような案件から始められればいいですね。

 

大和不動産鑑定様(監修企業)からのコメント

長谷川様には、シンガポールと東京と北海道を飛び回る忙しい日々のなか、快く取材を受けいれていただきました。その温かいお人柄により、一緒にお仕事したいと思わせる魅力をお持ちの方ですが、加えてのご自身の努力もあり、外国人富裕層とのネットワークを築かれ広げていらっしゃいます。インバウンドでの成功に満足せずに、アジアへの投資にも挑戦する姿勢には刺激を受け、海外での存在感を一緒に高めることができればと心から思っています。

大和不動産鑑定 とは50年以上に渡り、法人に対して、不動産に関する情報やサービスを提供してきた総合不動産コンサルティングファーム。2017年よりシンガポールに法人を構え、本格的にアジア圏でのサポートを始めている。

 

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