※下記は「アジアの注目企業100」から記事を転載しています。→掲載元
アジア市場にアクセスできるインフラを完成させ、アジアを起点にグローバル展開を図る
―御社の事業内容とアジアでの事業展開について教えてください。
私たちクロス・マーケティンググループは、『すべては、お客様の最良の決断のために』をモットーに、マーケティングリサーチを中心にお客様にサービスをご提供しています。特に、アジア地域をグローバル事業の起点としてとらえ、アジアNo.1のマーケティンググループを目指しています。2012年2月に初の海外拠点として中国・上海市に現地法人を設立し、現在は、中国、ベトナム、タイ、インド、シンガポール、インドネシアの6ヵ国に拠点を置いて、アジア地域におけるマーケティングリサーチ事業を展開しています。
―アジア展開を決めた理由や、これまでの経緯について教えてください。
国内市場の成熟化が進むなか、中長期的な成長のために、自ら市場を拡大する必要があると考えました。また、グローバル展開によって、企業としての未来を拓き、可能性を広げていきたいと考えています。2012年のアジア進出後、M&Aを通じて、マーケティングリサーチ分野で実績のある3社が傘下に加わりました。これにより、広範囲のネットワークを形成することができ、アジア市場において、より包括的に当社のサービスが展開できるようになりました。
―これまでのアジア市場での実績について教えてください。
2016年度のアジア地域における売り上げは約20億円となり、当グループ全体の売り上げの約13%に上りました。2012年の中国・上海への進出から5年間で、3社のM&Aやアジア6ヵ国への拠点拡大を実現しました。提供サービスもネットリサーチやオフライン調査(インタビュー形式などの調査)などのマーケティングリサーチから、市場参入前の現地情報収集を行うマーケットリサーチまで、幅広いサービス体系を構築することができました。
―なぜアジア展開をここまで順調に拡大できたのでしょうか。
ビジネスの執行に関して、現地の裁量権を尊重し、現地の代表者が意思決定しやすい環境を作ることが、現地のお客様とのリレーション作りを円滑にさせ、強力な事業推進の原動力になっています。
―今後アジア進出を考えている経営者へのアドバイスをお願いします。
アジアは、一見ひとつの市場のように見えますが、実はそれぞれの国ごとに生活習慣、価値観、歴史が異なります。それを理解したうえで、最適なところからスタートすべきでしょう。また、日本企業がセールスポイントにしたがる“高品質”は、必ずしも強みにはなりません。日本のものを自分たちの商品、サービスの特性に応じて、そのまま現地に持ちこむのではなく、現地のニーズに合わせた商品やサービスを提供することが重要です。厳しい言い方かもしれませんが、日系企業に依存した形でのアジア圏内への進出は、より大きな成長可能性をなくしてしまうことにもつながります。
―最後にアジア市場での今後の展開や、ビジョンを聞かせてください。
引き続き、グローバル化の起点となるアジアのインフラの構築に注力していきます。アジア市場にアクセスできるインフラを完成させ、それを足がかりに、欧米などの先進国でのビジネスも拡大したいと考えています。今後は、アジアにおいて、更にその先に、世界中でマーケティング・サービスのプロフェッショナルとして、お客様とともに最良の決断を見つけるパートナーになることを目標にしています。