フィリピンに進出している日系企業が多くなるなか、日本語を話すフィリピン人を雇用したいと考えている企業も多くなっています。しかし、フィリピンでの日本語人材は他の主要アジア各国に比べ少ないのが現状で、雇用したい企業側には少々厳しい状況となっております。下記にマーケット状況・相場などご説明させていただきます。
【1.日本語人材のマーケット状況】
フィリピンには英語スピーカーが多いことで知られており、外資系で働くフィリピン人は英語でのコミュニケーションに問題がない人がほとんどです。そのため英語でのビジネスチャンスが豊富で、日本語をわざわざ勉強する人が少ない状況です。他のアジア主要国に比べフィリピンでの日本語人材は希少で、また給与も高い傾向にあります。
【2.日本語人材の3つのタイプ】
フィリピンに日本語人材が少ないと言っても全くいない訳ではありません。では、どんな日本語人材がいるのかと言うと下記の3つのタイプに大きく分けることができます。
①日本人とフィリピン人とのハーフ国籍所有者
②日本での居住経験者(大学留学経験者、就業経験者)
③フィリピンで日本語を勉強している学生・社会人
一般的には①と②の日本語のレベルが高く、③が主に日本語能力試験でいう「N3~N5(初中級)レベル」の学習者と考えられます。
【3.日本語人材の給与相場】
日本語のレベルによって当然給与相場が異なってきます。下記は日本語能力試験のレベルを参考に給与を表にしました。
また、日本語のレベルに加え、営業・経理・ITなどのスキルが加わることによってさらに給与が高くなるのが一般的です。フィリピン人でスキルがある上に日本語・英語・タガログ語が堪能であれば、現地採用の日本人より高給取りと考えてよいでしょう。
【4.日本語人材は売り手市場】
フィリピンに進出していく日系企業が増えていく中で日本語人材の需要は年々高まっております。英語が話せない日本人スタッフのみですとやはり業務に差し障りがあるので、通訳として雇うという企業も少なくありません。しかし、進出してくる日系企業の数に比べると日本語が堪能なフィリピン人の供給が追いつかず、また実力以上に給与を支払わされたりする状況もあるようです。結果、他のアジア主要国に比べて日本語人材が少ないフィリピンでは、採用の難易度が高いというのが現状となっております。