TCGのノウハウツールWiki Investmentの中から、シンガポールにおける労務のポイントを公開します。
シンガポールは医療インフラも整った国であり、駐在員の方がお子様を設けるにも、ストレスの少ない場所だと言えます。
結果として、日本に一時帰国することなく、シンガポールの病院で出産するというケースも少なくありませんが、そうすると不安なのが滞在資格です。
今回は、日本人駐在員の方が、日本人の配偶者とシンガポールに滞在していて、シンガポールの病院で子供が出生した場合の手続きについて、日本での登録も含めてまるっとお伝えします。
出生直後は自動で滞在資格付与
シンガポールの病院で出生すると、その子供がシンガポール国籍を取得することになっている場合を除いて、必ず病院から以下の書類がもらえることになっています:
・Notification of Live Birth
・Advisory Note
こちらの管轄はシンガポール入国管理局(Immigration and Checkpoints Authority:ICA)です。
こちらの書類はそのまま新生児の特別滞在許可(Special Pass)としても用いられ、有効期限は6週間、42日となります。
その間に、シンガポールでの手続きをすべて完了させることになりますが、万が一間に合わない場合には、オンラインで申請して期間の延長を願い出ることになります:
https://form.gov.sg/#!/5e8b297f2cb1270011786544
大使館で自国の手続き
次に、シンガポールにある日本の大使館・領事館で、国籍の取得までを実行します。
血統主義であるシンガポールでは、日本人同士の子供にシンガポールの国籍が付与されることはないため、自動的に日本国籍になります。
そのため、最悪遅くなっても国籍が剥奪されることはありませんが、生まれた日から3か月以内に届け出るというルールは遵守したほうがいいでしょう。
手続きとしては、上記Special Passに当たる書類を両親のパスポートと併せて持ち込み、出生届を記入して提出します。
出生届の提出を受けると、大使館は外務省を通じて日本の両親の本籍地に出生届を送付、本籍地への登録を進めます。
戸籍への登録手続きには通常1か月近くかかるため、注意が必要です。
こちらの手続きが終わると、出生証明書(Certificate of Registration of Birth)が発行されます。
パスポートは一般の申請
戸籍への登録が完了したら、パスポートの申請に入ります。
在シンガポール日本大使館での申請になりますが、必要書類は以下の通りです:
(1)一般旅券発給申請書×1
(2)戸籍謄本又は抄本(新生児が記載されたもの)×1
(3)写真(縦45ミリメートル、横35ミリメートル)×1
(4)その他参考となる書類(両親のパスポートなど、求められれば)
このうち、一般旅券発給申請書はオンラインで作成できる様式になっており、申請書を埋めてプリントアウトします:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/download/top.html
署名欄は代筆で実行することになります。
2021年現在、新生児の場合のパスポート発行手数料はSGD77.00とされています。
DPのために必要な書類
パスポートが発行されたら、シンガポールでの配偶者滞在許可DPの申請に必要な書類はそろったことになります。
2021年現在、EPOL上での申請が必要ですが、必要な書類は以下の通りです:
・パスポート(画像のみ)
・出生証明書(Certificate of Registration of Birth)
申請料はSGD105.00、発行手数料はSGD255.00となります。
ほとんどのケースで翌日には仮承認のIPAが下りるため、以上の手続きが滞りなく進めば、特別滞在許可(Special Pass)の有効期限内にDPを取得することができるでしょう。
しっかりと手続きの詳細も整った環境ではありますが、シンガポールは法律に厳しい国でもあるため、手続きはしっかりと理解したうえで、子供の出生に備えるようにしましょう。
以上、シンガポールで子供を出生した場合についてお伝えします。
転載元記事はこちら
弊社の他の記事はこちらから→【東京コンサルティングファーム】