大湾区情報 No.27【「通」でつながる:広東、香港、マカオは大湾区で Win-Win の関係に】 | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


香港に関するコラム

大湾区情報 No.27
【「通」でつながる:広東、香港、マカオは大湾区で Win-Win の関係に】

前回に引き続き、「大湾区情報」では、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をいくつかピックアップしお届けします。

2019 年に「広東・香港・マカオ大湾区発展計画概要」が発表されて以来、「広東・香港・マカオ大湾区」は世界経済の中でも高頻度に使われる単語となっています。障壁を打ち破り、障害を取り除き、広東省、香港、マカオの三地域は、ルールのコンバージェンス、イノベーションにおける協力といった点で多面的に大きな進歩を遂げており、大湾区は確かな足取りで前進しています。

イノベーション「通」

「大湾区をイノベーションとテクノロジーの最適な中心地として推進することは、大湾区の各都市の政府が協力して達成しようとしている目標です。」と香港イノベーション・テクノロジー局長官アルフレッド・シット(薛永恒)氏は述べています。香港は基礎研究に適した土壌があり、大湾区で最も国際的な都市のひとつであるため、海外の人材を引き寄せ大湾区で活躍してもらうことができる、これがまさに今後数年間の香港のイノベーションとテクノロジーにおける発展のポイントになると述べました。

イノベーション分野での協力は、大湾区における「充電器」であるとも言えます。地域における科学技術リソースの配分を整理、最適化するために、広東省、香港、マカオでは、イノベーションに注力しており、イノベーションプラットフォームの構築を加速しています。 この 2 年間で、BRICS 未来ネットワーク研究所(BRICSINSTITUTE OF FUTURE NETWORK)の中国支部と「国際量子研究所」など
の機関が、河套地区内の「港深科技創新協力区」に入居し、138 のプロジェクトが推進、実施されました。

香港のテクノロジー・スタートアップ・エコシステムは活況を呈しており、スタートアップ企業の数は 2014 年の 1,070 社から 2020 年の 3,360 社に、香港での研究開発投資総額は 2014 年の 167 億香港ドルから 2019 年の 263 億香港ドルに大きく増加しており、これまでに 8 つの「ユニコーン企業」が誕生しています。

先日行われた香港・広東省協力合同会議の第 22 回全体会議でも、香港と広東省の両地が「広東省・香港科学技術協力資金援助プロジェクト」(GuangdongHong KongTechnology Cooperation Funding Scheme (TCFS))を通じて、これまでに140 の研究プロジェクトに共同で資金を提供していることが明らかになりました。

両地はテクノロジーとイノベーションにおける協力を強化し、大湾区を国際的なイノベーションハブとすることを目指す、と共に述べています。

大湾区の建設は、マカオの産業の多様な発展の機会となります。 マカオ大学、マカオ科技大学を含む 4 つの国家重点実験室が珠海市横琴に支部を設置しました。

横琴先進インテリジェント・コンピューティング・プラットフォームは第一期工事を完了し、116 億回/秒の演算能力を持ち、国境を越えた光ファイバーの相互接続およびリソースの共有を実現し、100 以上のテクノロジー企業、大学、研究開発機関にコンピューティング・サービスを提供しています。

「科学技術の要素の流れをより自由かつ円滑にし、真のシナジーとイノベーションを生み出すために、より良い協力関係を築いて広州・深圳・香港・マカオ科学技術イノベーション回廊の構築を目指します。」

大湾区について深く研究してきた多くの専門家は、広東・香港・マカオには科学技術協力方面においてそれぞれの利点を持っており、発展する可能性が非常に豊富であると述べています。

人材「通」

千年事業の基盤は何といっても人材です。それぞれの人材の革新的、また創造
的な活力を刺激することは、大湾区の更なる発展のための強力な原動力となって
います。

香港特別行政区のキャリー・ラム(林鄭月娥)行政長官は、大湾区は巨大な市場であり、香港に無限のチャンスをもたらすと考えられ、 香港政府は、大湾区の開発を促進するための努力を惜しまず、香港社会の各セクター、特に香港の若者の参加を積極的に促していきたいと述べています。新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けながらも、大湾区の経済的な勢いは 2020 年も衰えておらず、中国全体の 0.6%未満の面積のこの区域において、国の GDP の 12%を生み出しています。

このような大きな発展の可能性を秘めた大湾区には、多くのハイエンド企業やテクノロジー企業が本社を構えています。 広州、深圳、恵州などの地域では、様々な面で香港・マカオとの交流を積極的に促進するための措置の導入、香港・マカオの若者のための起業家交流、協力・共同イノベーションのためのプラットフォームを構築しています。

キャリー・ラム氏は、2020 年末、第 4 回施政方針演説において、香港政府が約 200 社の青年スタートアップ企業に 1 億香港ドルを助成することを提案しました。大湾区の中国本土の都市における香港の大学卒業生の雇用枠を 2,000 名分提供するための支援が提案されました。

今日、「大湾区青年起業支援プロジェクト」、「大湾区革新・起業基地体験支援プロジェクト」(We Venture)、「大湾区青年雇用プログラム」(Greater BayArea Youth Employment Scheme:「GBAYES」)が開始されています。 その中で、4 月 30 日現在で、321 社の企業が「大湾区青年雇用プログラム」で 2,394 件の雇用を提供しており、そのうちイノベーション・テクノロジー分野の雇用は1,267 件と、当初の予想の約 2 倍となっています。

また、香港・マカオの主要大学は、大湾区にある本土都市での教育機関運営計画を積極的に進めており、香港特区政府も、プロフェッショナル人材をより多く育成するために、香港中文大学(深圳)医学部の建設や香港大学医学部の深圳での開設を急いでいます。

広東省では、起業人材を引き付けるために、ハイレベルの人材を誘致・育成する一連の政策を導入し、人材サービス保障システムを改善し、人材の定住、住宅、子女の学校、出入境の簡易化などのホットな問題の解決に力を入れており、その結果、多くの人材やハイテクプロジェクトが広東省に定着するようになりました。

情報「通」

インターネット時代において、情報よりも重要なものは無いと言っても過言ではありません。 「中国ナンバーワンベイエリア」の急速な発展は、あらゆる情報の交流と切っても切り離すことができません。

前行政長官、中国人民政治協商会議全国委員会(CPPCC)副主席、大湾区国際情報技術協会(GBAITA)会長の C.Y.リョン(梁振英)氏は、越境データの適切な活用が、大湾区の統合的発展のための主要な課題であると述べました。 企業間のコミュニケーションと交流、協力プラットフォームの構築、人材の育成と交流は、すべて情報技術・通信産業の相互接続・相互運用と切り離すことはできません。

そのため、このたび広東省、香港、マカオは、「大湾区国際情報技術協会」(GBAITA)を正式に設立しました。

これにより、3 つの地区における情報の統合が促進され、障壁が取り除かれ、人々の生活や経済産業への情報技術の応用が促進されていきます。

情報の効果的な統合は、情報技術の支援なしには達成できません。現在、大湾区では、5G 技術があらゆる場面で日に日に浸透してきています。

香港では、広いエリアをカバーする 5G の電波が基本的に本土と密接につながっています。 香港通信事務管理局(The Communications Authority)局長のチョーサー・リョン(梁仲賢)氏は、香港の屋外での 5G のカバー率はすでに 80%から90%に達しており、MTR(地下鉄)の駅ではすでに 5G の信号が利用できるようになっていること、さらに重要なのは、香港で使われている 5G 信号スペクトルは基本的に中国本土とリンクしていることであり、「すでに一部の通信事業者では、大湾区共通のデータパックを含むモバイルデータパッケージが提供されている。」と述べています。

マカオでは、5G 技術が景気回復の期待材料となっています。 マカオ郵電局長官のラウ・ワイメン(劉恵明)氏は、スマートシティはマカオ特別行政区政府の開発の青写真であり、5G 技術が電子行政サービス、スマート交通、スマートツーリズムの分野でマカオに新たな勢いをもたらすことが期待されています。

専門家は大湾区は、研究開発、生産、応用を統合した完全な 5G 産業チェーンをすでに形成しており、将来的に大湾区は、1 兆人民元規模の 5G 産業集結エリアになると考えています。

仕組みやルールの違いは、長期に渡り 3 地域の統合・発展の大きな障害となっていましたが、今ではその壁が徐々に取り払われつつあります。2019 年「広東・香港・マカオ大湾区発展計画概要」の発表から 2021 年 4 月まで、各政府が大湾区の発展を促進するため 230 以上の政策文書を発表しており、「制度の違い」は徐々に「制度のメリット」になりつつあります。

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