ベトナムではなぜ、日本の人事制度をそのまま使えないのか?②【ICONIC】 | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


ベトナムに関するコラム

ベトナムではなぜ、日本の人事制度をそのまま使えないのか?②【ICONIC】

ベトナム向け人事制度は翻訳より意訳が有効

ベトナム現地法人向けの人事制度を設定するにあたり、日本法人で使用している等級定義や人事考課表を、日本語からベトナム語に翻訳するとしましょう。そのまま直訳すると、本来の意味がさっぱり伝わらないというケースがあります。

ベトナムにおける人事制度関連の書類の翻訳は、直訳ではなく意図を伝える「意訳」が基本です。単語間のニュアンスが多少違っても、大筋の意図がしっかり伝わることを優先し、意訳することが大切です。

具体的かつ事例を盛り込んだ内容に

意訳する際のポイントは、下記のとおりです。

(1) 抽象的な表現は、具体的な行動レベルの表現にする
(2) 抽象的な表現が避けられない場合は、使用頻度が高いベトナム語・英語の単語を用いる
(3) 意訳してもなお具体的なイメージが湧かなければ、現地法人内で発生した事例を基に具体例を追記する
(4) 「こうして欲しい」という“To Do”の表現だけではなく、「こうして欲しくない」という“Not To Do”の表現を追記し、対比構造の中で期待事項を捉えやすくする等

ベトナム進出後、実際に起きたトラブルやコミュニケーションの課題を踏まえ、意訳に活用すると効果的です。

ベトナム法人の規模に合わせたローカライズ化

そして、人事制度をベトナム法人で機能させるためには、組織の実態にフィットさせる必要があります。日本法人と現地法人では組織規模が異なる場合もあるため、現地法人の規模感にフィットしたキャリアパスや役職・等級構成、役割・等級定義がなされないと、適切な処遇や人事考課、ひいては人材育成が実現できません。

実態に合わせて省くところは省き、追加すべきは追加するローカライズが求められます。

実際には次のような視点で、ベトナム法人の実態に合っているのかを見直し、改訂する必要があります。

(1) 組織図
(2) キャリアパス
(3) 役職、等級構成
(4) 役割、等級定義
(5) 上記改訂に連動した人事考課の目線合わせ など

日本人だけで全てを決めず、ベトナム人社員を巻き込む

人事制度は設計もさることながら、運用することができて初めて成功と言えます。ベトナム法人でスムーズに導入・定着させていくためには、ベトナム人社員が新制度を納得感と共に受け入れられるかどうかにあります。

ベトナム人の感覚をしっかりと設計に反映させるべく、ベトナム人社員の意見もくみ取りながらの制度構築が理想的です。

実際には以下のようなことに配慮し、制度構築プロジェクトを進めていくと良いでしょう。

◆制度構築プロジェクトメンバーに、ベトナム人社員をまとめる器や権限のあるベトナム人社員を任命する
◆上記ベトナム人プロジェクトメンバーに、新制度導入の旗振り役を担ってもらう
◆人事考課や処遇決定フローの中に、ベトナム人管理職を考課者として据え、現地スタッフに積極的に人事権を持たせる
◆主要なベトナム人メンバーには、新制度案をドラフト段階でレビューしてもらい、設計段階で意見を出してもらう
(経営側の立場に立って、物事を冷静に見られる人選とする。適任者がいない場合は、社員の利害に直接的に絡まない、評価制度周りを中心にレビューしてもらう。センシティブな報酬制度までは切り込まないようにする)などです。 

 

以上、ベトナム進出企業の人事制度において重要な、「ローカライズ視点」についてお伝えしました。これからベトナムに進出する予定の方も、日本の人事制度をそのまま使用するのではなく、ベトナム法人向けに最適化する必要がある点を理解しておきましょう。

なお、弊社では制度構築のサポートも行っております。組織設計・人事制度ヘルスチェック・人事制度設計・⼈事制度社内導⼊⽀援などが可能ですので、どうぞご活用ください。

※本記事はiconicJobの投稿をもとに作成しています。

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