香港のゴミ箱とタバコ事情 | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


香港に関するコラム

香港のゴミ箱とタバコ事情

H.S. Planning (HK) Limitedでは、香港でのビジネスや生活に役立つ情報を毎月コラムとして提供しています。なお、当社は香港に拠点を置き、香港・中国・アジア進出を目指す日系企業様に対して、現地法人設立、会計・税務、監査取次、人事労務アドバイス、駐在者の生活相談までワンストップで支援をさせて頂いております。何かお困りごとがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

香港では公共の場所の至る所にゴミ箱があります。最もよく目にするオレンジ色のゴミ箱は、玩具やグッズにもなっています。現在、香港の環境保護署は新しいデザインのゴミ箱の使用試験を実施しており、改良されたゴミ箱は今より少しスリムになっています。この新しいゴミ箱はリサイクル可能なプラスチック素材でできており、耐紫外線効果もあり、以前のものよりずっと耐久性に優れています。また、清掃員が掃除しやすいように、上部にある灰皿は手で傾けると容易に掃除できるようになっています。ゴミ箱のデザインはこれまでも何度か設計変更されており、2016年にデザインが変わった際に投入口が小さくなりましたが、今回試験中のゴミ箱は投入口がさらに小さな作りになっています。これは投入口を小さくすることで家庭ごみなど大きなゴミが捨てられないようにするためです。香港は至る所にゴミ箱があり、清掃員の方々が毎日片づけてくれるおかげで、大都市にもかかわらず清潔に保たれています。

香港市内にあるゴミ箱は主にオレンジ色ですが、他にも緑色や黄色など様々なバリエーションがあります。色の違いは管理部門の違いを表しています。路上に設置されているオレンジ色のゴミ箱は食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department)が管理しています。そして公園、ビーチなどで見かける緑色や黄色のゴミ箱は康楽及文化事務署(Leisure and Cultural Services Department)の管理になっています。他にも郊外のハイキングコースなどは漁農自然護理署( Agriculture, Fisheries and Conservation Department)が管理しています。

香港のゴミ箱は、服役中の受刑者によって拘留施設内の作業場で製造されています。そのため製造コストを抑えることができています。また近年見られる吊り下げられたビニール袋に蓋が付いたタイプのゴミ箱は、テロ対策として導入されました。日本でもテロ対策として公共の場所におけるゴミ箱の数が減りましたが、香港もゴミの削減やテロ対策としてゴミ箱の数は減少しつつあります。

ゴミ箱に欠かせない上部の灰皿、香港のタバコ事情についても見てみましょう。

香港は早くからタバコの喫煙による健康被害を重視しており、政府は様々な取組みを進めてきました。1982年に「喫煙(公共衛生)条例」が制定された当初、喫煙率は23.3%でしたが2019年には10.2%まで減少し、現在は10%を下回っています。今では香港は世界でも喫煙率の比較的低い地域と言えます。喫煙条例はその後も何度か修正され、特に大きな転機となった2007年の修正では新たに室内の飲食店、オフィス、屋外であっても一部の指定された公共の場所において「禁煙」となったことで、香港では基本的に室内の公共の場所では喫煙できなくなりました。同時に、香港で販売されるタバコのパッケージには目を背けたくなるほどインパクトのある肺などの写真等、タバコが引き起こす健康被害の忠告の表記が必須となりました。さらに違反者には罰金(最高5000香港ドル)が科せられることになり、2009年からはタバコの公告も禁止され、タバコ税も増加の一途となっています。2022年には新たに電子タバコ、加熱式タバコの輸入、製造、販売が禁止となりました。香港政府は2025年までに喫煙率を7~8%まで引き下げることを目標としています。

こういった状況から香港は日本より喫煙者に厳しく感じるかもしれませんが、分煙がはっきりしているだけで、喫煙できるエリアはあります。条例の意図するところは、副流煙がもたらす周囲の健康被害を防ぐためであり、屋内など周囲の人が副流煙に一方的に晒されてしまう場所では禁煙となります。路上など開放された場所で、周囲の人が副流煙を避けることができる場所では、喫煙が可能となっています。その証拠に路上のゴミ箱には灰皿があります。屋内で禁煙の対象外となっている場所には住宅、喫煙可とされるホテル客室、公共施設の喫煙エリアなどが挙げられます。住宅は賃貸であれば、まれに大家さんが禁煙を要求してくる物件がありますので確認が必要です。

香港では飲酒と同じくタバコの年齢制限は18歳以上です。海外から香港へ渡航する際、年齢が18歳以上であれば一般的な紙巻タバコは19本まで、葉巻は1本もしくは25グラムまでの持ち込みが可能です。免税範囲を超えたタバコの無申告での持ち込みは禁止されています。また、2022年4月30日より、代替喫煙製品(電子タバコ、加熱式タバコ製品、ハーブタバコ等)の輸入が禁止となりました。代替喫煙製品の輸入、宣伝、製造、販売、商業目的での所持が禁止されており、これらに違反すると最大6ヶ月の懲役刑と50,000香港ドルの罰金が科せられます。日本でもシェアが急拡大している加熱式タバコは、香港に持ち込むことができませんので香港滞在中は紙巻タバコに頼るしかありません。持ち込んだ19本の紙巻タバコを吸い終わってしまったら、コンビニなどで購入することになりますが、現在1箱の価格は70~80香港ドルです。香港のタバコにはタバコ税がかかっており、小売価格の64%相当になっていいます。それでもWHOの推奨する税率75%には達していないため、さらなる増税の声も上がっています。

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