香港の不動産の動きと日本への不動産投資 | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


香港に関するコラム

香港の不動産の動きと日本への不動産投資

H.S. Planning (HK) Limitedでは、香港でのビジネスや生活に役立つ情報を毎月コラムとして提供しています。なお、当社は香港に拠点を置き、香港・中国・アジア進出を目指す日系企業様に対して、現地法人設立、会計・税務、監査取次、人事労務アドバイス、駐在者の生活相談までワンストップで支援をさせて頂いております。何かお困りごとがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

香港の住宅市場が2022年下半期に下落する可能性があると予想されています。その背景には香港の住宅ローン金利の上限を0.25%引き上げることで住宅価格が下半期に5~10%下落すること、また不動産開発業者の値下げによって購入者が新築住宅に流れることによって、中古住宅市場で30%を超える価格下落が見られ始めたことがあります。香港の今年6月時点の民間住宅価格は下落が加速し、2020年12月以来の水準に落ち込みました。

香港の住宅価格の変動は社会の影響によるところが大きく、ここ20年余りの香港の住宅価格の推移を見ても下落と上昇を繰り返しながら長期的に見れば右肩上がりに上昇して来ました。振り返ってみると、1997年の香港返還後には香港投資ブームにより香港の不動産は上昇し、2003年のSARSで景気が一旦落ち込み不動産価格も下落しましたが、SARSの終息と共に回復しました。そして2008年~2009年にはリーマンショックで再び大きく下落しましたが、2010年代には中国からの富裕層による香港への投資が相次ぎ、香港の住宅価格はすぐにリーマンショック以前の水準に戻り、さらなる高騰を続けると香港の一般市民の住宅需要を圧迫するまでの深刻な問題に発展しました。2019年頃よりデモによる社会的混乱、移民熱の高まり、そしてコロナ禍と社会情勢は変貌を遂げてきましたが、かろうじて大幅な下落には至っていません。不動産の下落時は裏を返せば買い時とも言えるので、世界的に見ても非常に高い香港の不動産を投資家が簡単に手放すとも限らないようです。

一方で、香港を初めとする海外の投資家の注目は日本の不動産に集まってきています。今年は約20年ぶりに円安が進み、日本国内の景気後退や物価高にもかかわらず日本の不動産の売れ行きは好調となっています。ドル・ペッグ制を採用する香港ドルは、米ドルのレートと連動しているためドル高・円安に合わせて、香港ドル・円安で推移しています。

香港の投資家にしてみれば日本の不動産に注目するのは今に始まったことではなく、10年ほど前から香港内にも日本の不動産を紹介する専門のエージェントが出現していました。日本の不動産価格は香港に比べると手頃で購入しやすいですが、香港のように大幅に不動産価格が上昇するような投資性はありません。売買差益ではなく安定した賃貸収入を得るのに大きな魅力があるようです。

円安による海外投資家の投資熱は住宅不動産のみならず、商業施設や高齢者施設へも高まっています。コロナ前にも中国人による日本の土地購入が進みましたが、今や中国人に限らず香港人や東南アジアの投資家にとっても日本は魅力的な投資対象となっています。今後さらに円安が進めば、日本の不動産に海外資金が流入し、日本の不動産価格はさらに上昇することになるでしょう。不動産の過熱ぶりといえば、日本の1980年代終わりのバブル期を思い出す方も多いでしょうし、日本人にとって不動産バブルはいつかはじける時が来るのではという懸念があるかもしれませんが、今回の状況とは異なります。過去の日本のバブル期にはマスコミによって「土地神話」という言葉が広まり、地価は必ず上がり続けると信じられていました。そのためどんな辺鄙な荒れ地でも価格が付いたほどの異常な過熱ぶりでした。

現在の海外投資家にとって魅力があるのは日本の都心や地方の大都市であり、いわゆる空き家問題に悩まされているような過疎化が進む村の不動産価格までもが買い占められ地価が上昇するというような状況ではなく、地方に住むほとんどの日本人にとって何の影響もありません。投資先として注目のエリアは東京、大阪、京都、福岡、そして北海道でいずれも観光地としても魅力的で多くの訪日外国人たちが訪れたことのある人気の地域に集中しています。

投資対象として海外投資家の関心を集める日本ですが、実際に日本まで足を運んで物件を見ることなく、エージェントを通して購入するケースがほとんどです。以前のようなインバウンドによる日本国内の賑わいは今年の夏休みも戻って来ませんでした。日本は今年6月10日よりインバウンドの受け入れを再開したものの、個人旅行ではなくツアー客に限るなど制限があり、以前のような活気が取り戻せていません。日本へ到着する外国人のほとんどは飛行機の乗り継ぎが目的で、日本は経由地としてしか利用されていないのが現状で「ジャパン・パッシング」と呼ばれています。これを受けて日本政府も「入国前のPCR検査による陰性証明の免除」「現在2万人の入国者数上限を5万人に緩和」といった規制緩和を急遽検討していますが、この円安の夏休みという好機にインバウンドを逃してしまったことは日本の観光業、宿泊業にとって大きな損失でしょう。日本や香港以外の世界に眼を向けてみると、すでに多くの国がウィズコロナへシフトしており、多くの国がコロナに関わる水際対策など規制を撤廃し観光業の復活を始めています。そして例え日本が規制を撤廃しても、コロナ禍以前のインバウンドの大半を占めていた中国、香港での規制が緩和されないと、経済効果や観光地の活気が復活しないのが現状です。

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