~香港の今昔物語~ | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


香港に関するコラム

~香港の今昔物語~

H.S. Planning (HK) Limitedでは、香港でのビジネスや生活に役立つ情報を毎月コラムとして提供しています。なお、当社は香港に拠点を置き、香港・中国・アジア進出を目指す日系企業様に対して、現地法人設立、会計・税務、監査取次、人事労務アドバイス、駐在者の生活相談までワンストップで支援をさせて頂いております。何かお困りごとがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

6月下旬、香港の観光名所として有名な水上レストラン「ジャンボ・キングダム/珍寶王國」が香港外へ移動中に沈没したと報道されました。その後、実際は転覆したが沈没していないなどの情報もあり詳細は明らかになっていませんが、長年愛され続けた観光地が一つ消えたことに変わりはありません。「ジャンボ・キングダム」は新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年3月より営業停止していました。

香港返還前の80年代~90年代に団体旅行などで香港を訪れたことのある日本人にとって、「ジャンボ・キングダム」は思い入れ深い場所でした。80年代にはまだアバディーンには水上生活者がおり、香港島側の専用ふ頭から渡し船に乗ってレストランへ向かう途中、水上生活者の日常を間近で見ることができました。そして船の行く先には竜宮城のように豪華で煌びやかな「ジャンボ・キングダム」が姿を現し、多くの観光客が胸を躍らせたといいます。香港人にとっては外国人観光客向けのスポットに過ぎなかったようですが、それでも「ジャンボ・キングダム」が香港を離れることが決まると多くの人々が別れを惜しみ、写真を撮影する姿が見られました。

香港には他にも、今は姿を消してしまったものの、その時代を香港で過ごした誰もが知っている場所があります。香港人の記憶に刻まれている場所をご紹介したいと思います。

「タイガーバームガーデン/虎豹別墅」

1935年に建設、1950年代より一般公開されました。タイガーバームで巨万の富を築いた胡文虎が造った広大な別荘です。現在のビクトリアパークの南側の山の斜面に位置し、仏教、儒教、中国の故事などを題材とした極彩色の彫刻や壁画が至る所に飾られていました。大人は伝統文化に触れ、アートとしても楽しめるスポットでしたが、子どもたちは地獄や因果応報の物語に、とてつもない恐怖を感じたようです。敷地のほとんどは切り売りされてマンションに変わり、2000年に完全閉鎖しましたが、歴史的建築物を再利用するプロジェクトにより2019年に虎豹樂圃としてリニューアルオープンし、音楽を通じた交流の場へと生まれ変わりました。

「ライユン/茘園」

現在のMTR美孚駅の北側にあった香港初の遊園地で、1949年にオープンしました。動物園、プール、アイススケートリンクもあり、当時の子供たちにとって憧れのテーマパークでした。1977年にオーシャンパークが開業して入場者数が激減すると、政府によって公営住宅地になることが決まり1997年に閉園しました。今でも復活を望む声は多く、2015年と2016年にはセントラルに期間限定で復活しました。

「ソウセン/宋城」

「ライユン/茘園」に併設される形で中国宋代の村を再現した映画村のようなスポット「宋城」がありました。1979年にオープンし、城内に入ると宋の時代へタイムスリップしたような気分が味わえました。カンフー、手工芸の実演、宋時代の婚礼儀式、宮廷音楽の演奏などショーも沢山あり最盛期はツアー客で賑わっていましたが、1997年に茘園と共に幕を閉じました。

「シーランチ/The Sea Ranch/澄碧村」

ランタオ島の東南、イーロン湾(二浪湾)に1979年に開発された会員制の高級リゾート施設です。ビーチに面して4階建てのコテージが並び、マリンスポーツの他にテニスやプール、ミニゴルフなども楽しめました。香港人の富裕層の他、外国人旅行者であれば会員でなくても利用することができ、コテージに宿泊してリゾートを満喫することができました。しかし1997年のアジア金融危機により香港の不動産価格が下落し、コテージを賃貸に出すオーナーが増え、交通不便なことから空室が目立ちました。付近にレストラン、スーパー、病院も無く、不動産価格は現在でも香港とは思えないほどの安値です。近年はホステルや、若手アーティストのアトリエなどに一部が活用されています。

「フラマ・インターコンチネンタル/富麗華酒店」

フラマ・ホテルはセントラルのコンノートロード1番地という一等地にあった高級ホテルです。現在はAIAファイナンシャルセンターになっています。1973年にオープンし、ホテルの最上階(30階)にある回転レストラン「ラ・ロンダ/Ra Ronda」は大変人気がありました。食事はブッフェ式で、70分で1周するので食事をしながら香港の景色を360度楽しむことができました。アジア金融危機の影響もあり買収された末に2001年に閉鎖され、建物も取り壊されました。

日系の百貨店も一時は香港に多数進出しており、銅鑼湾エリアには「そごう」「大丸」「三越」「西武」「松坂屋」、尖沙咀エリアには「伊勢丹」「東急」がありました。「そごう」が香港企業に買収され存続している他は、残念ながら家賃の高騰から撤退してしまいました。しかし銅鑼湾エリアへ向かうミニバスの行き先には今も1999年に姿を消した「大丸」が使われており、香港人の生活にいかに溶け込んでいたのかが分かります。

香港はこの7月で返還25周年を迎えました。絶えず発展し続ける香港の街は常に再開発が進められていますが、過去を知ると新たな発見があるかもしれませんね。幸い香港には街中で撮影された数々の映画が残っていますので、かつての風景を鮮明に見ることができます。

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