ブイキューブ 代表取締役社長 間下 直晃 様 インタビュー | シンガポール進出企業インタビューならヤッパン号


ブイキューブ

日本人がシンガポール進出で成功するには

株式会社ブイキューブ  間下 直晃

日本人がシンガポール進出で成功するには

Web 会議サービスで7年連続国内シェアNo.1のブイキューブ。同社は社長の間下氏が慶應義塾大学の学生時代に起業した学生ベンチャーだ。いま同社は、急速に経済発展するアジア新興国への事業展開に力を入れている。間下氏は1年のほとんどをシンガポールに滞在し、そこから日本を含めたアジア全体の指揮を執る。今回は間下氏にアジアビジネスについて聞いてみた。(取材内容は2013年9月時点のもの)

クラウド市場において7年連続国内シェアNo.1

―まず御社の事業内容を教えてください。

法人企業、官公庁に対してクラウドベースでビジュアルコミュニケーションサービスを提供しています。特に当社のWeb会議サービス「V-CUBE ミーティング」は今まで4000社を超える企業に導入頂き、クラウド市場において7年連続シェアNo.1となっております。またWeb会議だけでなく、国内10,000拠点に同時配信出来るセミナー向けの「V-CUBE セミナー」、1対1のあらゆるシーンでFace to Faceの密なコミュニケーションを実現する「V-CUBE セールス&サポート」などのサービスも提供しています。

―もともと間下さんは慶應義塾大学の学生時代に起業したそうですね。

1998年に有限会社ブイキューブインターネットとしてスタートしたのが始まりですね。当時は私もまだ学生で、Webの受託制作や開発がメインでした。その後、いまの自社サービスを開発して2006年に株式会社ブイキューブと社名変更し、今に続いています。

―御社はアジアへの進出も積極的ですね。

2003年に北米市場の展開を目的としてアメリカに進出したのを皮切りに、今は主に東南アジアを中心に事業展開しています。

―海外の顧客は現地の日系企業が多いですか?

そんなことはないですよ。ほとんどが現地の会社です。たとえばタイだと、タイの現地企業や病院、大学などにご利用いただいています。

 

なぜアジアに進出したのか

―なぜ、そもそも海外に進出しようと考えたのですか?御社の事業領域は、日本でも急成長していますよね。

たしかに国内マーケットも目下急成長しています。ある調査会社のレポートによると2020年までに今のマーケット規模の約10倍にあたる1000億円までに成長する有望マーケットだそうです。しかし世界を見渡すと、すでにアメリカでは1500億円~1600億円のマーケット規模がある。

当社は7年連続で国内シェアNo.1になり、今後も国内シェアNo.1であり続けるため様々な施策を打ち続け、より既存顧客に対するサービスに磨きをかけていくつもりです。しかし、弊社のようなサービスはスイッチングコストが高く、先行者メリットが効きやすい分野でもあります。今後、日本の国内マーケットも拡大を続けますが、見逃せないのがアジアのマーケット。弊社がいち早くアジアマーケットに参入してプレゼンスをつくっておけば、アジア新興国が経済成長すれば、弊社もその成長の波に乗り、アメリカの巨大企業であるシスコシステムズに太刀打ちできるかもしれません。だから、早い時期に弊社はアジアに進出したわけです。

―なるほど。だからアジア新興国に進出したわけですね。

2009年にまずマレーシアに進出しました。その後、タイやインドネシアにも進出しました。ちなみにシンガポールの企業は欧米企業が中心なので、すでに欧米の本社が使っているサービスを利用していたり、そもそも使用言語が英語なので、弊社としてはなかなか厳しい戦いを強いられていますが、マレーシアやタイ、インドネシアはまだブルーオーシャンなので、大きな可能性があります。逆に弊社のようなアジア発の企業の方が有利だと考えています。アジアを理解している我々だからこそできるサービスを提供しているわけです。

―ちなみにマレーシアなどのアジア新興国では、どのようにセールスしているのですか?

たとえばマレーシアでは、ふつうにテレアポをしたりもしますよ。現地のローカル企業向けに電話をかけてアポイントを取る。日本と同じですね。あと現地の営業代理店を募って、代理店による販売も実施しています。

シンガポールに進出した理由

―シンガポールに中間持ち株会社を設立したのはどうしてですか?

アジアに多国展開するうえでハブとなる拠点が必要でした。そこで税制面で有利かつ他のアジア諸国にもアクセスが便利なシンガポールを選びました。またシンガポール政府から直々に誘致の依頼が来て、政府からの進出サポートを得られたことも大きな要因でしたね。

 

―アジア新興国の中には外資規制が厳しい国も多いと思いますが、そこはどうですか?

もちろん外資規制については国ごとに違いますし、時期によって都度内容も変わってくるので一概には言えませんが、最近は各国とも外資規制が緩くなってきている印象がありますね。

特にマレーシアは経済発展してほとんど先進国並みになってきているので、すでに外資100%の子会社を設立できますし、かなり外資規制自体も緩くなってきています。しかしタイでは業種によるものの外資企業は過半数の株式を持てないなど外資規制があり、中国も会社の設立自体はできますが、営業するのに免許が必要です。インドネシアは弊社の場合は95%の株式を持てましたが、営業ライセンスを取得するのに数か月かかりましたね。

業種や時期によって外資規制は変わってくるので、細かいことはぜひ専門家の方に聞いてみると良いと思います。

アジアでビジネスをするということ

―実際にアジアでビジネスをしてみて、日本との違いなどはありますか?

それはもう全て違いますよ(笑)。まったく違う。日本の感覚で仕事をしていては仕事になりません。アジアで仕事をしてみて感じたのは、日本人の丁寧さ。改めてそこを痛感しました。一概には言えませんが、アジアでは結構いい加減な仕事を平気でする人が多い(笑)。

日本はある程度みんな同じ考え方をベースに仕事をすることが可能ですが、アジアで阿吽(あうん)の呼吸などは通用しません。みんなベースとなる文化や宗教が違うので、以心伝心などは有り得ないんです。きちんと意思表示してコミュニケーションをとらなければいけません。

また、弊社のサービスに関していうと、まだアジア新興国は啓蒙段階です。「なぜWeb会議が必要なのか」から説明して納得してもらわないといけない。日本国内ではリーマンショックがきっかけとなり、Web会議に対する理解と利用が進みました。出張費を削減しなくてはいけなくなったので、日本企業がWeb会議を積極的に利用するようになったんです。アジア新興国でも、今後ジワジワとWeb会議が広がっていくと思います。

―現在、間下さんはほとんど日本にいないそうですね。

日本には月に1回程度1週間くらい滞在しています。ですので全体の4分の1くらいですかね。日本にいなくてはできないことだけを、日本滞在中に集中的にこなしている形です。たとえば社員とじっくりと話し込んだり、銀行を訪問したりなどですね。それ以外はほとんどシンガポールなどからWeb会議を通じて対応し、事が足りています。

鍵は日本本社からの本気のサポート

―これからアジア進出を検討している日本企業にアドバイスをください。

すでに日本にある程度のしっかりした事業基盤を持っている会社なら、トップ自らアジアに引っ越すのがいいと思います。海外でビジネスをするというのは、ゼロイチでビジネスを立ち上げるということです。非常に難易度が高い。トップ自らが乗り込んでガッツリと真正面から取り組まないと成功しないと思います。

またその時に大事なのが本社からの本気のサポート。本社が全面的にバックアップする体制がないといけません。日本は日本で日々大変だと思いますが、そんな中でも日本本社の本気を引き出し、本社を巻き込んでいかないといけない。やはりそれができるのはトップしかいません。

―最後に今後の御社のビジョンを教えてください。

ビジョンは「アジアNo1.のビジュアルコミュニケーションのプラットフォームをつくる」です。Web会議などのビジュアルコミュニケーションはまだアジア新興国では啓蒙段階ですが、それを当たり前の文化にしていきたいと考えています。

先ほども言いましたが、この分野は、世界全体のマーケットにおける北米マーケットの割合が大きい分野です。しかし今後アジア経済が成長して、世界経済の中で欧米に代わってアジアが主役となれば、弊社がそのままこの分野で世界No.1となる日も来ると考えています。現在日本国内でシェアNo.1の弊社が、今後はアジアでもシェアNo.1を不動のものとし、いつか世界シェアNo.1になりたいと思います。

 

プロフィール:間下 直晃(ました なおあき)

1977年、東京都生まれ。2000年3月に慶應義塾大学理工学部を卒業、2002年3月に慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻を修了。慶應義塾大学在学中の1998年10月に有限会社ブイキューブインターネットを設立し、同社CEOに就任。2002年に学校法人慶應義塾とTLO(技術移転機構)を利用して資本提携。2006年4月に株式会社ブイキューブに社名変更し、同社CEOに就任。2013年12月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。経済同友会 幹事。

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