ICONIC 代表取締役 安倉 宏明様 インタビュー | ベトナム進出企業インタビューならヤッパン号


日本人がベトナム進出で成功するには

ICONIC co., ltd 代表取締役 安倉 宏明

日本人がベトナム進出で成功するには

ベトナムにおいて日系企業向け人材紹介トップクラスの実績を誇るICONIC(アイコニック)。同社社長の安倉氏は2008年にベトナムに会社を設立。それ以降、ベトナム・ホーチミンを拠点に同社を成長させる。現在ではホーチミンの他、ハノイやインドネシアのジャカルタにも拠点を設立。2014年4月には東京にも新たに拠点を設立した。その安倉氏にベトナム人のマネジメント手法やベトナムで失敗しないポイントなどについて聞いてみた。(取材内容は2014年3月時点のもの)

日系企業に日本人・ベトナム人を人材紹介

―まず御社の事業内容を教えてください。

 主に2つあります。1つ目は、人材紹介および人材採用支援事業。人材紹介に関しては、現在ベトナム(ホーチミン・ハノイ)やインドネシア(ジャカルタ)で展開していて、そのうち8割以上が日系企業に対しての人材紹介となります。中でも多いのがミドル~ミドルアッパー層の現地の方および日本人の方ですね。

 2つ目は、人事労務コンサルティング事業です。ベトナムで展開している日系の大手企業からベンチャー企業までを対象にし、ベトナムでの人事・労務に関するコンサルティングをしています。具体的にいいますと、就業規則や人事制度の設計などを行っていますね。また競合企業の福利厚生や給与体系の調査なども行います。

―ヒトに関する事業を展開しているんですね。安倉さんの起業の経緯を教えてもらえますか?

 起業したいと明確に思ったのは、大学時代4年生の就職活動中のことです。ドラッカーの書籍「イノベーションと企業家精神」を読んで、「世の中を作っているのは起業家だ」というメッセージに感銘を受け、自分もいつか起業したいと考えるようになりました。大学卒業後は、まずは事業の創り方を学ぼうと思いベンチャー企業に就職しました。そのベンチャー企業には3年ほど勤めました。

 しかし、いざ起業しようと考えた時、私はネット系の仕事をしてきたわけでもありません。2006年にはライブドア事件もあり、ネットベンチャーが下火になったこともありました。しかも日本はこれから人口がどんどん減少していく。勝負するマーケットとしてはどうなんだろうという疑問が私の中で湧き上がってきました。

 そんな中、私的な旅行で3日間ベトナムへ行くことがあったんです。ベトナムに行って新興国の熱気を肌で感じ、私自身とてもワクワクしたんです。すごく可能性を感じました。そして、これからはアジア新興国の時代だと肌で感じて、ベトナムで起業することに決めたんです。その後、まずはベトナムに詳しくなろうと思い、勤めていたベンチャー企業を辞めて、ベトナムにある日系企業で1年間ほど働くことにしました。

 起業の直接的なきっかけはベトナムで働いている間に、ベトナム人経営のある家具メーカーから日本人を採用したいと相談を受けたことでした。そして「ベトナム企業に日本人を紹介する」、これはニーズがあるんではないかと直感的に思ったんです。その後、この事業で起業しようと決めて2008年に現在の会社を設立しました。

 しかし、その後にベトナム企業に日本人を紹介するモデルだと収益的に厳しいことが分かり、現在の事業である日系企業にメイン顧客に人材紹介する事業へと転換することにしたんです。

―話は変わりますが、ベトナムの外資規制についてお聞かせください。

ベトナムで人材紹介業に関する外資規制は基本的にほとんどありません。日系の人材紹介会社もすでに20社以上あると思います。ただ、人材派遣業に関しては規制が厳しく難しいですね。

ベトナムで日系企業が失敗するポイント

―ベトナムで日系企業が失敗するポイントはなんですか?

ベトナム人の方を下に見てしまう人はほとんど失敗していますね。やはりベトナムの地で事業をするなら、ベトナムの人に対してリスペクトの感情を持たなければいけないと思います。

 もちろんベトナム人の特性として、ビジネスマンとして厳しい部分もあります。ベトナム人の方は基本的に細かいことを気にしない。ときに、いい加減なこともある(笑)。彼らがよく言うのが「大丈夫だよ」という言葉です。また自分の頭で物事を考えるのが苦手な人も多いです。いままで海外で設計されたものを作る仕事がベトナムで多かったので仕方ないかもしれません。

 でも、ベトナムの方は他のアセアン諸国と比べたら優秀な人が多いし、一緒に仕事をしていて、私も刺激を受けたり、助けられたりしています。日本人とベトナム人、お互いの強みを活かして、弱みを補完しながら仕事ができたら理想だと考えています。

―ちなみに、ベトナムにおいて成功している日系企業はどこかありますか?

何をもって成功と定義することが難しいと思うのですが、売上規模で見れば、自戒の念も込めて、どの会社もまだまだだと思います。手前味噌ですが、弊社もベトナムの日系人材企業の中では売上としてはトップクラスだと思いますが、まだまだこれからだと私自身思っています。

―ベトナムのマネジメントは日本のマネジメントとどんな違いがありますか?

誤解を恐れずに言うならば、日本人のマネジメントはベトナム人のマネジメントと比べると難易度が低いと思いますね。

 大前提としてあるのが、日本人の場合、文化的な背景が同じなので相手の状況を把握しやすい。しかも給与水準が高く、成長意欲がある人が多いと思います。一方で、ベトナム人の方は自主性があるとは言えない人が多いのが現状です。また自分に対する期待水準が低い方が多い傾向もあります。なので、やってみせて、ほめてあげることが大切ですね。

 私自身、マネジメントするうえでプレゼントをあげたり、ほめることを意識的に多くやっています。そういうベタなマネジメントが必要ですね。日本人のマネジメントではあまりやらないですよね。

 

2018年までに東南アジアNo.1の日系人材紹介会社に

―今後の御社のビジョンを聞かせてください。

2018年までに東南アジアNo.1の日系人材紹介会社になりたいと思っています。現在、ベトナムとインドネシアに進出していますが、今後は東南アジア全域に拠点を展開していく予定です。

―最後にベトナム進出を検討している人にメッセージをください。

ベトナムではこの3年から5年で様々なビジネスが成り立つタイミングがくると思います。ただ、すぐすぐはキャッシュの面で苦労すると思います。日本と比べると売上の規模感が全然違いますから。

 ですので、これから進出する方は、日本で収益をあげて、そのお金をベトナムでの事業展開にまわして、2020年代にその投資分を回収するようなイメージを持つといいと思います。

 ベトナムは政治的な面でもリスクが少なく、アジア展開が初めての方でも挑戦しやすいと思います。是非いちどベトナムに来て、ベトナムの熱気を自分の五感で感じてみてください。

 

プロフィール:安倉 宏明(やすくら ひろあき)
1980年、愛知県出身。2004年に関西学院大学総合政策学部を卒業後、ベンチャー企業に入社。その後、ベトナムにて日系企業に就職し、2008年に現在のICONICを設立し、代表取締役に就任。

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