GLOCALIZER Co., Ltd. 代表取締役 草苅 裕太 様 インタビュー | フィリピン進出企業インタビューならヤッパン号


日本人がアジア進出で成功するには

GLOCALIZER Co., Ltd. 代表取締役 草苅 裕太

日本人がアジア進出で成功するには

フィリピンで今、最も勢いがある若き起業家のひとりと言われるGLOCALIZERの草苅氏。その人生は常に挑戦の連続であった。数多くのフィリピンに進出する日系企業を支援してきたWEBマーケティングのプロフェッショナルである草苅氏に、成功する企業と失敗する企業の共通点などを聞いてみた。(取材内容は2014年4月時点のもの)

―フィリピン進出に成功されている日系企業の共通点などはありますか?

 やはり現地化に成功している企業さんが結果を残されています。特に、「マネジメント」と「商品」の両面での現地化がポイントだと思います。

 「マネジメント」で言えば、ローカルの文化・風習・価値観を深く理解したマネジメントを実施しているかでスタッフの定着率は大きく変わってきます。また、中小・大手企業問わず、マネジメント側にローカルスタッフが配置されているかも重要だと思います。スタッフ数20~30名くらいの日系企業様でも、マネージャーにローカル人材を上手く配置し、高い定着率と高品質なサービス提供をされているケースも少なくありません。

 ただ、もちろんローカルに任せれば良い訳ではないのが難しい点ですね。特に注意すべきなのが、「先進国と発展途上国の価値観(意識)のギャップ」をどう少なくしていくかだと思います。やはり日本人のビジネスパーソンは、社会人としての基礎が確立されており、洗練されています。反面、まだまだ発展途中のフィリピンでは、整理整頓やお金の自己管理などの基本的な部分が雑な事も多いのが事実です。

 例えば、「この場所を綺麗にしましょう」と言う伝え方でも、日本人とフィリピン人の意識レベルで理解している綺麗の“度合い”が大きく異なるケースがあります。そのため、「どのレベルが綺麗」で「どのレベルが汚い」のかをデモンストレーションする時間とコストをかけていく必要性があります。それらの基礎レベルを上げた上で、マネジメント側を現地化していくことが重要なのではと感じていますね。

―なるほど。日本式の「暗黙の了解」を、それぞれ見える化させる必要があると言う事ですね。成功するためのもう一つのポイント「商品の現地化」とは、具体的にどのような事ですか?

 これはマーケティングの重要性ですね。マンダムさんのような成功している企業は、徹底した現地のマーケティングリサーチによって、自社商品の販売方法や商品カスタマイズ手法を導き出しています。日本で支持されている商品でも、そのままフィリピンで販売するのではなく、「消費者の声」や「フィリピンならではの価値観」を調査した上でビジネス展開されています。

 なお、フィリピンではWEBの広告媒体が成長しきっておりません。そのため、消費者の声を集めるために「サンプリング」や「パネルディスカッション(現地人を集めた座談会)」を積極的に展開し、ローカルの意見を取り入れています。それらの声が、価格帯やデザインに反映された結果、今の成功を成し遂げられたのだと思います。そのため、幣社でも、現場の声を集めるマーケティング支援には非常に力を入れており、日系企業様のあらゆるオーダーにお応えできる体制を構築しております。

―では、フィリピンで失敗している企業の共通点はありますか?

 まだまだ投資段階での進出事例が多いため、どの基準を失敗とするかは難しい判断だと思います。ただ、「人件費の安さ」だけに着目して進出する企業様は苦戦しているのが実態です。また、成功の裏返しで、一切の市場調査やテストマーケティングをせずに、勢いだけで進出されているケースも難しい場合が多いですね。

 また、セブ島を中心にスカイプ英会話の起業ブームがありましたが、現在は群雄割拠の時代。日々、地道に会員数を増やして行く手法では事業が伸び悩み、大型の広告予算を持って一気に会員数を集める資本力がないと勝てないフェーズになってきました。

―ありがとうございます。ところで、草苅さんが考えるフィリピンの魅力は何ですか?

 日本から一番近い英語圏の国である点は大きな魅力だと思います。仕事を進めて行く上で、ローカルと英語だけでコミュニケーションできるアジア商圏は少ないですし、やはり便利ですね。また、フィリピンは親日国家であり、日本人や日本と言う国に好意的な興味を持ってくれる人達が非常に多い印象を受けます。それに、フィリピン人はホスピタリティの高い人間が多いですね。日本のマスメディアで「治安の問題」を大袈裟に取り上げられがちですが、人材も国自体も非常に魅力のある場所だと感じています。

 反面、やはりインフラが整っていない部分が多く存在することが懸念点です。インターネット回線が弱く、日本では10分くらいでダウンロードできる資料が1~2時間かかったりすることも…また、交通機関のインフラ構築も遅れているため、移動時間がヨミづらいですね。また、メリットでもデメリットでもあるのが、フィリピンの気候。四季がなく年間通して暑いため、過ごしやすいですが、ずっと居ると頭がボーっとしてきます(笑)

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