【連載 / マレーシア労働法・労務コラム】マレーシアにおける労働法の全体像(1) | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


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【連載 / マレーシア労働法・労務コラム】マレーシアにおける労働法の全体像(1)

※本コラムは、マレーシアの生活関連サービス紹介の「M-navi」から転載しています。 → 転載元の記事

 

1 はじめに

マレーシアに限らず、会社が従業員を雇用する以上、労働問題は避けて通れない課題となっています。日々会社で起こる事件はその都度対処することが求められる個別具体的な問題であるため、労働法の全体像を掴むのが難しいのではないかと思われます。そこで、マレーシアにおける労働法・労務に関する法規等の基本的な概念についてこの場をお借りしてコラム(全6回)を執筆させていただきたく機会を得ましたので、全体像を通して、個別の問題に対する解決の糸口にしていただければ幸いです。

2. マレーシアの法体系及び近年の労働法について

2-1 コモン・ローと東部地域自治権

マレーシアは、旧宗主国である英国の影響を受けコモン・ロー(慣習法・判例法)の法体系を採用しているため、判例法の理解が重要となります。ただし、マレーシアは連邦国家であり、特に東部のサバ州及びサラワク州では歴史的背景から多くの自治権が認められていることから、連邦憲法、連邦議会による制定法及びその下位規則、州ごとの憲法、法律及び規則等の成文法ついての知見も必要となります。

 

2-2 労働者の保護について

マレーシアは解雇が比較的容易なシンガポールに比べて労働者の保護に厚い国とされています。雇用法上の「労働者」は主に低収入者・肉体労働者を対象としており、雇用開始から雇用期間中、雇用の終了に至るまで、法律の規定だけでなく証拠の収集等の適正手続の履践を含め、各段階で注意が必要となります。

 

2-3 近年の労働政策について

2010年に発表された経済転換プログラム(Economic Transformation Programme)によれば、2020年までに330万人の雇用を創出すると発表されています。他方で、外国人労働者依存低減を目指すとしており、駐在員に関しては2017年9月1日より外国人に対する雇用パスのカテゴリーが再分類されているなど、今後も労働法を含めた各分野の法制化・実務の運用の変化に注意が必要と考えられます。その他、最低賃金命令(Minimum Wages Order 2016)が2016年7月に施行されており、現時点ではマレー半島部では1,000リンギット、東マレーシアが920リンギットとなっていますが、人的資源省は2018年に最低賃金を引き上げる方針を発表しているため、こちらについても注意が必要となります。

3. 労働法について

3-1 総論

上述の通り、労働法の分野では、制定法のほか、判例が重要となります。実務上の注意点としては、契約書外及び契約書と異なる記載・合意の効力が認められにくい点と 一般法理としての信義則が採用されにくい点に注意に必要となります。

3-2 個別法について

以下、労務に関する主な法規を記載させていただきますのでご参照ください。

雇用法
(Employment Act 1955)
一部労働者を保護するための法律。
1959 年労働組合法
(Trade Unions Act1959)
労働組合の活動や設立等を定めた法律。
1969 年労使関係法
(Industrial Relations Act196)
会社及び労働者、労働組合の関係、労使間の労働紛争を解決するための手段を定めた法律。
1991 年従業員積立基金法
(Employees Provident Fund Act1991)
政府運用の年金制度である従業員積立基金について定めた法律。
1969 年労働者社会保障法
(Employeeʼs Social Security Act1969)
社会保障制度を規定する法律。
1952 年労働者災害補償法
(Workmenʼs Compensation Act1952)
業務中の労働者の事故・疾病等に対する補償や財政援助を付与する制度に関する法律
1967 年工場・機械法
(Factories and Machinery Act1967)
工場労働者の安全、衛生、福祉等を定めた法律。
1944 年労働安全衛生法
(Occupational Safety and Health Act1994)
労働者の安全と健康、福祉を守るための法的保護を定めた法律。
1959・1963 年移民法
(Immigration Act1959/1963)
マレーシア入国の許可、ビザの認可及びその手続き等、移民並びに外国人労働者について定めた法律。
1968 年雇用(制限)法
(Employment (Restriction)Act1968)
外国人労働者に特に適用される事項について定めた法律。
労働者の訓練 2001年人材開発公社法
(Human Resource Development Act2001)
労働者の訓練促進、人材開発公社とその基金の設立・管理、会社の基金拠出を定めた法律。
定年法
(Minimum Retirement Act 2012)
定年を定めた法律。
若年者、子どもと青少年雇用法
(Children and Young Persons (Employment) Act)
児童労働による搾取の予防を定めた法律。

 

その他、最低賃金命令(Minimum Wages Order 2016)、1975年労使協調行動ガイドライン(The Code of Conduct for Industrial Harmony 1975)、1999年職場におけるセクシャル・ハラスメントの防止・撲滅に関する実務ガイドライン(The Code of Practice for the Eradication and Prevention of Sexual Harassment in the Workplace1999)等のガイドラインが存在します。

執筆者:One Asia Lawyers

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